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サイクル ロードレース コラム 2025年7月22日

ミランはスプリンターの威信にかけてマイヨ・ヴェールを狙う。ポガチャルとの一騎打ちに勝てるか?|ツール・ド・フランス2025

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ポイント賞でトップを走るミランだがその座はまだ安泰ではない

ポイント賞でトップを走るミランだがその座はまだ安泰ではない

ツール・ド・フランス2025が第3週を迎える。個人総合のマイヨ・ジョーヌはもちろんだが、その他の賞争いも熾烈になってきた。特にポイント賞のマイヨ・ヴェールは異なるタイプの2選手がトップを争う状況。第2週を終えてトップに立つのは、ジョナタン・ミランリドル・トレック)。最終週はスプリンターの威信にかけての戦いだ。“スプリンターの華”である同賞の行方はいかに。

ミランとポガチャルが僅差の争い

まず第2週を終えた段階でのポイント獲得状況を整理しておきたい。

トップを行くのはミラン。第8ステージでの勝利を含め、スプリントフィニッシュではしっかり上位を押さえている。第2週終了時の獲得ポイントは251点。フィニッシュや中間スプリントでの動きを見る限り、コンディションは良さそうだ。

ただ、現状ではまだ安泰とは言えない。ポイント賞争いで2位につけるタデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ・XRG)が、28点差(223点)で続いているのだ。ポガチャルは個人総合で独走しているので、今後もマイヨ・ジョーヌにフォーカスして走ることは間違いない。ただ、ここまでステージ4勝を挙げているように、第3週でも山岳ステージをメインに勝ち続けるとおのずとポイントが加算されていく。実情としては狙わずしてポイント賞争いに加わっている状況だが、ミランにとっては「最大のライバル」になっている。「第3週はかなり厳しい戦いになる」とは、第15ステージを終えた際のミラン。

同賞ランキングで3番手につけていたマチュー・ファンデルプールアルペシン・ドゥクーニンク)が第3週の出走取りやめを表明したことで、実質ミランとポガチャルにマイヨ・ヴェールが絞られた形だ。

ファンデルプールがリタイヤした今、マイヨ・ヴェール争いは2人に絞られた

ファンデルプールがリタイヤした今、マイヨ・ヴェール争いは2人に絞られた

絶対条件は「取りこぼさないこと」

今後のレース展開にゆだねられる部分は大いにあるので、誰が一番有利とは言い切れない。ただ、ミランはトップに立つアドバンテージを生かしたいところ。必須条件は、「残りステージでポイントを取りこぼさないこと」。

山岳の第16・第18・第19ステージは、いずれも本格登坂前に中間スプリントポイントが置かれるので、やはりトップ通過したい。第2週では数回逃げを試みる様子もあったが、チームでプロトンをコントロールして得意のシチュエーションに持ち込みたい。そして、平坦にカテゴライズされる第17ステージを勝てれば、かなり状勢は良いものとなる。

ポガチャルは基本的に中間スプリントを獲りに行かないし、平坦ステージでスプリントをすることもない。ポガチャルがマイヨ・ヴェールを獲るとすれば、山岳ステージでの勝利を繰り返すことにある。山岳ステージフィニッシュでのポイント配点は、1位で20点。仮に前述の3ステージを勝ったとして最大60点。ミランとしては、フィニッシュでのポイント配点が最大50点の平坦ステージや、同じく最大20点の中間スプリントを巧く獲れればトップは固くなる。

最終目的地パリへ向かう中で、ひとつのレースコース上に思惑の異なる幾人もの選手が競い合う。これぞツール・ド・フランスの醍醐味。残る6ステージは、一層その趣きが濃くなる。栄えのグリーンをかけた駆け引きにも注目していこう。

文:福光 俊介 from Montpellier, France

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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