人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

サイクル ロードレース コラム 2025年6月22日

【ツール・ド・フランス開幕まであと13日!】魔の山“モンヴァントゥー”最高難度の山岳コースがツールの歴史を動かす

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
  • Line
魔の山“モンヴァントゥー”では数々の名勝負が繰り広げられてきた

魔の山“モンヴァントゥー”では数々の名勝負が繰り広げられてきた

ツール・ド・フランスでは名物とされる山岳コースがいくつか存在しますが、これまで幾多の名勝負が繰り広げられている山に「モンヴァントゥー」があります。

頂上の標高は1,910m(1,912mとする資料もある)。「プロヴァンスの巨人」との異名を持ち、季節を問わず山頂部はかなりの強風に見舞われます。“ヴァントゥー”のヴァンはフランス語で「風」を意味していて、自然条件から名づけられたとの説も。

ツールにおいては“魔の山”と形容されることもあります。その理由は1967年大会、当時トップレーサーだったトム・シンプソンが服用していた薬物とアルコール、熱中症の複合作用でレース中に命を落としたことによるもの。

古くはエディ・メルクスやマルコ・パンターニといった名選手がこの山を制しました。2013年大会の第15ステージではクリストファー・フルームが圧勝し、初の個人総合優勝に大きく近づく走りを披露。2016年大会の第12ステージでは、密集する観客をかわしきれなかったバイクカメラが立ち往生。リッチー・ポートが追突し、さらにフルームとバウケ・モレマが玉突き落車に遭う“大事件”も。

2021年大会の第15ステージでは、この山を2回登坂する脅威のコースセッティング。逃げに乗っていたワウト・ファンアールトが圧巻のクライミングを披露し、“脚質:ワウト”を決定づける快走を見せました。

今年は4年ぶりの登場で、第16ステージにセッティング。この山以外は平坦という、まさに「モンヴァントゥー色」の1日。頂上フィニッシュまでの15.7km、平均勾配8.8%の上りがマイヨ・ジョーヌの行方を左右します。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ