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サイクル ロードレース コラム 2025年4月30日

メーデーを彩るドイツ最高峰のワンデーレース 見どころはスプリンターとクラシックハンターの駆け引き!【Cycle*2025 エシュボルン・フランクフルト:プレビュー】

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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エシュボルン・フランクフルト

昨年の覇者はマキシム・ファンヒルス

激動の春のクラシック戦線が幕を閉じ、グランツールをはじめとするステージレースが中心のレースプログラムへ。そんななか、ブレることなく5月1日開催を貫き続けるワンデーレースがエシュボルン・フランクフルトである。

クラシックレースからステージレースへのシーズン移行期にあたり、出場選手もステージレースを見据えるオールラウンダー、クラシックシーズンの流れのまま乗り込むワンデーレーサー、スピード自慢のスプリンターと、その顔触れは多彩。5月1日は多くの国でメーデーにあたり、ドイツも同様に祝日に設定されている。この日の開催地フランクフルトはプロからアマチュア、そして老若男女問わず参加ができる自転車のお祭りが催される。実際に、この大会関連のレースやライドイベントは即日で定員に達したという。

多くのサイクリストが待ち望むアクティビティのメインに据えられるのが、UCIワールドツアーのひとつに数えられるプロレース。今年で62回目を迎える。

エシュボルン・フランクフルト

ルートマップ

60回の記念大会だった2年前から採用されるコースは、複数の丘越えが選手たちの脚を試す。2回上るフェルトベルク(1回目:登坂距離11km、平均勾配5%、2回目:7.6km、6.5%)、3回上るマンモルスハイン(2.3km、8.3%)の2カ所が大きなポイント。かつてはスプリンターが主役になることが多かったが、現コースになってからはクラシックハンター向きのコースになったとの見方が強い。エシュボルンからフランクフルトまでをつなぐルートは最短だと15kmほどと近距離だが、寄り道をするとすぐに丘陵地帯へと入っていけることがこのレースコースからも分かる。

エシュボルン・フランクフルト

高低差図

前回は35人の集団がフランクフルトへ真っ先に到達。スプリントをマキシム・ファンヒルス(当時ロット・デスティニー)が制したが、今年はどうなるだろう。

2連覇がかかるファンヒルスは、今季から加わったレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのエースとして臨む。丘陵コースに強いロジャー・アドリアやニコ・デンツもメンバー入り。地元ドイツに籍を置くチームとして、総力を挙げてこの一戦を迎える構えだ。

エシュボルン・フランクフルト

美しい街並みを駆け抜けるプロトン

主催者いわく、「今年のドイツ人ライダーには大きな期待が持てる」。6年ぶりのドイツ勢制覇へ楽しみが膨らんでいる。絶好調のUAEチームエミレーツ・XRGはニルス・ポリッツ、スーダル・クイックステップからはマキシミリアン・シャフマン、アンテルマルシェ・ワンティではゲオルク・ツィマーマンとヨナス・ルッチ。今季のレースで成果を挙げている選手たちがそろっており、地元勝利の可能性は十分。大集団のスプリントになれば、優勝経験のあるパスカル・アッカーマン(イスラエル・プレミアテック)、新鋭のティムトーン・トイテンベルク(リドル・トレック)、マックス・カンター(XDS アスタナチーム)の名が挙がる。

ドイツ勢以外では、4月27日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで5位と好走したティボー・ネイス(リドル・トレック)や同じく10位のニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)が好調を維持して参戦。チューダー・プロサイクリングチームは、ジュリアン・アラフィリップとマルク・ヒルシの両輪がそろってエントリー。

人数が絞り込まれた状況でのスプリントとなれば、マグナス・コルト(ウノエックス・モビリティ)、マイケル・マシューズチーム ジェイコ・アルウラー)にも勝機。登坂力アップを試みるヤスペル・フィリプセンアルペシン・ドゥクーニンク)が最後まで残るようだと、右に出る者はいないだろう。アントニオ・モルガド(UAEチームエミレーツ・XRG)のスピードと勝負強さも魅力だ。

エシュボルン・フランクフルト

エシュボルン・フランクフルト

出場はUCIワールドチーム14、同プロチーム4の計18チーム。前座で行われるU23レースにデヴェロップメント(育成チーム)を送り込んで、親子レースとなるチームも多数。大会の運営はツール・ド・フランスなどを主催するA.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)のドイツオフィスが担い、シュコダ社やリドル社といったサイクルロードレースシーンでおなじみの企業が公式パートナーを務めている。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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