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初めまして、58歳アラカンです。富士ヒルに昨年から挑戦、2年連続1:23台でした。来年こそシルバー獲得を目指し、平日ZWIFTと土日実走でCTL85前後です。年齢的に睡眠の質が落ち、回復に悩んでいます。食事も含め、回復全般に関しアドバイスをお願いします!
(男性 会社員)
■栗村さんからの回答
質問者さんは、同じように富士ヒルクライムのシルバーを目指している僕(53歳)の大先輩ですね。富士ヒルでシルバーを獲得するためには、1時間15分以内でのゴールが求められるため、現在のタイムから約9分の短縮が必要です。ちなみに、2024年大会では、質問者さんが該当する「55歳〜59歳」カテゴリーの完走者は752名。そのうち、ブロンズ(1時間30分以内)は126名、シルバー(1時間15分以内)はわずか21名で、ゴールド(1時間5分以内)を達成した方は0名でした。
参考までに、「60歳以上」でシルバーを獲得した方はたったの5名のみ。こうして見ると、質問者さんが掲げている目標は、年代別で見てもかなり高いレベルであることがわかります。そんな「先輩」にアドバイスするのも恐縮ですが、回復については僕も思うところがありますので、ちょっとまとめてみましょう。
まず前提として、こういう話は個人差が大きいので、誰にでも当てはまる正解はあまり多くないことは忘れてはなりません。また、僕は質問者さんより5つ若いですから、年齢的には少しだけ回復力が高いかもしれません。その上で申し上げますね。
まず、僕が意識しているのは「食事」です。50代になり、すっかり健康オタクになってしまった僕は、一般的に「体に良い」と言われるものを試しまくっています。一方で、人工的なものに対しては、本能的にあまり摂りたいと思わなくなってきました。普段のルーティンに組み込んでいるのは、野菜、バナナ、発酵食品、海藻、ナッツ、プルーン、オリーブオイルなどです。
食事の基本戦略としては、ごくオーソドックスにPFCバランス(たんぱく質3:脂質2:炭水化物5の摂取比率)を大事にしています。タンパク質ばかり重視する人も多いですが、僕は糖質も脂質も、バランスよく食べるようにしています。タンパク質は肉に偏らないよう、卵や納豆も食べていますね。とくにゆで卵は1日2~3個は食べています。
僕が選手だったころは、ちょうど今の糖質のように脂質が毛嫌いされていましたが、最近は良質の油も大事だと言われるようになってきました。なので、オリーブオイルなどは積極的に摂っています。それと、僕は晩酌の習慣はありませんが、アルコールがパフォーマンスアップに寄与「しない」ことは確実ですので、もし質問者さんがお酒好きならば、付き合い方は考える余地があると思います。残念ながら、お酒は身体にとって「百薬の長」ではなく、実際のところ「百害あって一利なし」のようです。
次に、質問者さんが悩まれている「睡眠」についてですが、申し訳ないことに、僕自身はこれまで睡眠にあまり悩んだことがなく、適切なアドバイスをお伝えするのが少し難しいかもしれません。ただ、年齢を重ねるにつれて睡眠時間が徐々に短くなり、特に朝方は眠りが浅くなってきたのは事実です。とはいえ、もともと僕は朝が苦手で、起きるのにかなり苦労していたタイプなので、むしろ近年は目覚めが良くなってきたことをポジティブに感じています。
あと、これは当たり前のことかもしれませんが、「睡眠の量」、つまり時間をしっかり確保するのは大前提です。これまでの僕は、平均睡眠時間が5時間台という生活をしてきたのですが、今は7時間を目標にしていて、スマートウォッチで確認すると、だいたい6時間30分くらいは眠れています。この1時間前後の差が本当に大きくて、睡眠時間が少なかった頃と比べると、明らかに疲れの残り方が改善されているのを感じます。ちゃんと寝るって、本当に大事なんですよね。
さて、ここからようやく、質問者さんが気にされている「睡眠の質」の話になるのですが、僕が取り入れているのは、先ほど触れたスマートウォッチによる睡眠管理に加えて、耳栓と鼻呼吸テープです。最近の耳栓は性能が良くて、ちょっとした物音で目覚めることもなくなりました。また、口呼吸による口や喉の乾きで起きることもなくなりました。口テープは風邪予防にも効果があるんじゃないかなと思っています。
一方で、夜のトレーニングで追い込んだまま寝ると、明らかに睡眠の質が落ちることにも気づきました。夜にZWIFTで高強度のトレーニングをして、そのまま大したケアもせずに寝てしまうと、翌朝は全身に疲労感が残っています。
ですから、トレーニングがきつければきついほど、その後の「クールダウン」は必須です。そこで僕のおすすめのケア方法をひとつ紹介しておきましょう。それは「歩くこと」です。夜の高強度ZWIFTのあとに、近所を15分~30分くらいのんびり歩くだけで、翌日の疲れの残り方が違うんです。「それならZWIFTのあとにそのまま自転車でクールダウンすればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、歩くことで得られる回復の感覚って、やっぱり自転車のそれとは違うんですよね。
歩くという動作は、軽い有酸素運動でもありますし、下肢を使うのでストレッチのような効果も感じられます。人類にとって最も基本的な運動である「歩行」って、実はなかなか侮れないんです。質問者さんも、トレーニングでしっかり追い込んだ後は、ぜひ軽く近所を散歩してみてはいかがでしょうか?
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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