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サイクル ロードレース コラム 2024年5月15日

【輪生相談】体脂肪5%を目指して毎日1時間自転車に乗ってます。食事のとりかたやお腹が減った時はどうしているのでしょうか?

輪生相談 by 栗村 修
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自分は、体脂肪を5%くらいそれこそプロの選手みたいに足の血管を出したいです。毎日1時間乗ってます。一年後にそのような体になりたいです。食べてはならないものとか教えてください。プロの選手は、お腹が減ったら、すぐ何か物を入れているのですか?何かアドバイスを教えて欲しいです。

(男性 大学生・短大生)

■栗村さんからの回答

栗村さん

質問者さんのお気持ち、よーくわかります。何を隠そうこの僕も現役時代、とくに体脂肪率が落ちて脚の血管が浮き出やすい夏場には、鏡越しに自分の脚を見てうっとりするのが趣味でした。

ただし僕は脚がわりとぽちゃっとしているタイプだったので、バキバキに血管が浮き出た、いかにも速そうな脚はついに手に入れられずに終わってしまいました。腕には血管がでるんですけどね。

というわけで、実は血管がどの程度浮き出るかは個人差があります。もちろん体脂肪を落とせば落とすほど血管は出やすいのですが、同じ体脂肪率でもずいぶんと個人差が大きいなあと思った記憶もありますね。

さらにもっと重要な事実があります。それは、血管の浮き出た脚の持ち主が速いとは限らないことです。最近だと、意外かもしれませんがタデイ・ポガチャルの脚もわりとむっちりしていて、血管はあまり浮き出ていない印象ですね。近年は歳を重ねた結果か少し筋張ってきましたが、もともと血管が出やすい体質ではないのでしょう。

28516171_l.jpgポガチャルの脚も意外と血管が浮き出ていない

国内レースシーンでも同じで、僕の観測範囲に限っても、バキバキに血管が浮き出た日焼けした脚なのに全然強くない選手もいれば、赤ちゃんみたいな脚なのに恐ろしく速い選手もいました。困ったことに、「バキバキで速そうなのに遅い」選手は期待度との落差によって、実態以上に見かけ倒しと思われてしまう問題があります。逆に、白くてふっくらした脚なのに強い選手は、非常に印象に残りますから、そのほうが有利(?)かもしれません。

それから、普通のサイクリストが想像する「欧州のプロ選手の脚」はジロやツールの最中の選手像であることが多いですから、連日の過酷なレースによって体脂肪率は削られ、極限まで血管が見えやすくなっています。オフシーズンなんかは、意外とふっくらしていたりするものです。

それはともかく、速さは置いておくとしても、血管が浮き出た「速そうな脚」に憧れる気持ちはよくわかります。ご質問にある毎日1時間のライドでそういう脚を手に入れるのはなかなか難しいと思うのですが、「体脂肪率が少ない美しい体」を作ることそのものを目的にしているボディビルダーをヒントにしてはどうでしょうか。ボディビルダーたちは、まさに筋肉や血管の存在がハッキリとわかるバキバキな体づくりを目指している人たちなので、質問者さんが目指している世界観とぴったり一致すると思います。1日1時間、つまり週7時間の自転車の時間のうち、週2時間くらいをジムなどでの筋トレにまわすと、考えている以上に多くのポジティブな効果が得られるでしょう。その際は、本格的な筋トレを実践しているインストラクターや経験者がいるようなジムを見つけることが重要ですね。そこで欲しい情報を手に入れるわけです。

ボディビルは、栄養学やトレーニング方法、体の知識や使い方など得るものも多いので、結果として自転車の速さも手に入れることができるかもしれません。「邪道」な動機でも、結果オーライというわけです。

ぜひ、「強そうで速い脚」を手に入れてください。

文:栗村 修・佐藤 喬

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栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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