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「第108回 ツール・ド・フランス」は、いよいよ明日(7月10日土曜日)から5日間に亘る(休息日を一日挟む)ピレネー決戦に突入します!
ここまで圧倒的な力を発揮して「別次元」な走りをみせているディフェンディングチャンピオンのタデイ・ポガチャル(スロベニア・UAE)ですが、先日のモン・ヴァントゥーステージでは一時ヴィンゲゴー(デンマーク・ユンボ)から遅れをとるなど、若干ながら弱い部分もみせています。
本人はインタビューの中で「ぼくは雨や寒さには強いけど暑いのは苦手」と語っており、たしかに雨との戦いとなったアルプスでの2日間に比べて、モン・ヴァントゥーステージは暑い(最高気温30度)なかでのレースとなっていました。
とは言え、すでに総合で2位以降に5分18秒の大差をつけているポガチャル。彼が今後崩れる可能性はあるのでしょうか。
ということで、今回は「暑さ」という切り口でポガチャルの弱点を簡単に考察してみます。
「ポガチャルがグランツールで優勝したステージ」
◯2019年ブエルタ9ステージ
雨(終日悪天候)/独走勝利
◯2019年ブエルタ13ステージ
晴(気温は高くない)/2名でのスプリント
◯2019年ブエルタ20ステージ
雨/独走勝利
◯2020年ツール9ステージ
小雨/5名でのスプリント
◯2020年ツール15ステージ
晴(気温は高くない)/2名でのスプリント
◯2020年ツール20ステージ
曇り(気温は20度前後)/個人TT
◯2021年ツール15ステージ
曇り時々雨(気温は20度前後)/個人TT
上記の様にポガチャルが悪天候に強いのは間違いないようです。
一方、本人も認めていますが、暑さに対してはどの程度弱いのでしょうか。
先日のモン・ヴァントゥーステージは、「ハイペース(イネオス勢による)」&「暑さ(場所によっては30度)」という組み合わせでした。
恐らくこの組み合わせがポガチャルを崩すためのキーワードになってきそうです。
もっとわかりやすく言うと、クルマ(もしくはパソコン)の「オーバーヒート状態」をポガチャルに当てはめると弱点が見えてきます。
要するに「高性能」&「ハイパワー」が故に、「オーバーヒート」や「熱暴走」に陥りやすい「ハイスペックマシーン」なのかもしれません。
ピレネーでライバルたちが「オーバーヒート」&「熱暴走」を意識した走りをしてくると状況が変化する可能性があります。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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