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サイクル ロードレース コラム 2020年9月3日

20年目のツール・ド・フランス中継

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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突然ですが、私が初めてツール・ド・フランス中継を担当したのは、2000年7月15日の「第87回 ツール・ド・フランス 第14ステージ」でした。

また、翌日の第15ステージも解説を担当し、伝説のクライマー、故マルコ・パンターニ氏の最後のステージ優勝をお伝えした次第です。

最初に「J SKY SPORTS」の解説席に座ったときというのは、緊張の極みというか、脚と唇がガタガタと震えてしまったのを今でもハッキリと覚えています。

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「2000年のツール解説時。28歳の現役選手でした。目力がありますね」

あれから20年の歳月が経ち、ある意味で特別な年となった「第107回 ツール・ド・フランス」をこの様にお伝えできていることに心から感謝しています。

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「2019年のレース解説直後。47歳。同世代の中野さんと飯島さんとAO中...」

当たり前ですが、年上や同い年の現役選手がいなくなり(ダビデ・レベリンを除く)、あの大人びたアレクサンドル・クリストフでさえ16歳も年下の選手になります。

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改めてですが、この20年で自転車ロードレースを取り巻く環境は大きく変化しました。

フォーム、機材、ウェア、戦術、チームの規模、レース界の仕組み、選手のサラリーなどなど、多くの要素が当時とは別物になっています。

一方で、まったく変わらない普遍的な魅力というのも残っています。

個人的に「ツール・ド・フランス」を観ていて感じる魅力というのは、「歴史」と「地球の美しさ」が詰まった壮大な景色となります(これらの魅力をお伝えするのはあまり得意ではないですが...)。

近年は映像がより美しくなり、フランスのダイナミックな景色を手に取るように感じ取ることが可能となりました。

そしてもう一つの魅力は、なんと言っても選手たちが魅せる最大級の「喜怒哀楽(表情)」です。

「ツール・ド・フランスは壮大なリアル人間ドラマ」

今年もグランでパールの地に立った全ての出場選手が、自転車レースを越えた「ツールの本質」を連日我々に提供してくれています。

1989年、17歳の時にフランスに渡り、そこで目の当たりにした「本物のツール・ド・フランス」の魅力というのは、いまもまったく色褪せていません。

本日は第6ステージ、早くも2回目の山頂フィニッシュとなります。

レースがパリまでたどり着けることを心から願いつつ、1ステージ1ステージを大切に観戦していきたいと思います。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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