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サイクル ロードレース コラム 2019年10月21日

変化のシーズン

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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本日は、月曜日恒例の「月チャリ(J SPORTS オンデマンド)」の生配信を行いました。

ジャパンカップが終了し、UCIのメジャーレース公式戦は、残すところ10月17日〜22日の日程で中国にて開催されている「UCIワールドツアー最終戦」の「Gree-Tour of Guangxi」のみとなっています。

一方、ヨーロッパの「UCIワールドツアー」及び「UCIコンチネンタルサーキット」はすでに2019シーズンのカレンダーをすべて終了しているので、本日の「月チャリ」では、熱く盛り上がった2019シーズン主要レースなどの総括を行いました。

2019シーズンのモニュメント(世界五大クラシックレース)やグランツール(世界三大ステージレース)の優勝者をチェックしてみると、2019年シーズンが大きな変化の中にあったことを改めて実感します。

「ジロ・デ・イタリア」優勝者のカラパス(エクアドル)、「ツール・ド・フランス」優勝者のベルナル(コロンビア)、そして、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」優勝者のログリッチェ(スロヴェニア)と、全員が各レースの国籍別初代王者となりました。

一方、伝統国にもある種の変化の兆しが生じました。特に「ツール・ド・フランス」に於けるフランス勢の活躍が印象的でした。

フランス人が「ツール・ド・フランス」で最後に勝利を飾ったのは1985年...。あの、ベルナール・イノー氏の伝説の勝利からすでに35年もの歳月が経とうとしています。

自転車ロードレースの本場であり、すべてが揃っているはずのフランスから35年間も優勝者が生まれていないのは、ある意味で事件と呼べるかもしれません。

結果、グルーバル化が進む自転車ロードレースの世界の中に於いて、この20年ほどは、逆行するようにフランス国内での自転車ロードレース人気は急速に低下していってしまいました...。

度重なるドーピングスキャンダルも影響し、「自転車ロードレース=ドーピング」と感じている人々は少なくなく、また、一昨年フランスへ行った際も、スター選手だと思っていたロメン・バルデを知らない人が意外と多くて正直落胆してしまいました。

私がジュニア時代にフランスにいた時と比べて、自転車ロードレースの地位がフランス国内で大きく変化しているように感じました。

そんな中、今年の「ツール・ド・フランス」でジュリアン・アラフィリップがこの20年間に蓄積した負の空気を一人で吹き飛ばすような大活躍を魅せてくれました!

実力だけでなく、高いエンターテイメント性も兼ね備えた英雄が誕生したことにより、再びフランス国内でのツール人気が復活したのです。

自転車ロードレース界のグローバル化は確実に加速しています。一方、伝統国の選手たちも息を吹き返しており、新旧が対決する戦国時代の幕開けを予感させます。

2019年シーズンが終わろうとしているタイミングではありますが、早くも2020年シーズンの開幕が楽しみになってきました。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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