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サイクル ロードレース コラム 2019年9月12日

進化するバーチャルライド

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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一般サイクリストだけでなく、プロの選手たちもトレーニングとして利用しているオンライントレーニングプラットフォームの「ZWIFT(ズイフト )」を中心とした「バーチャルライドサービス」の進化が止まりません。

直近、「ZWIFT」サイドの取り組みとしては以下の様なサービスが展開されています。

◯「実際のプロレースなどで使用されるコースの提供」

・ジロの主催者であるRCSスポルト社とパートナーシップ契約を結び2019年ジロのプロローグコースが登場。

・イギリスヨークシャーで開催される2019年UCIロード世界選手権のオフィシャルサプライヤーに認定されハロゲートのサーキットを再現した公式バーチャルコースが登場。

◯「公式バーチャルレースの展開」

・2月にジャパンナショナルチャンピオンシップ(ZWIFT全日本選手権)が開催され、ZWIFT全日本チャンピオンが決まりました。2019年のチャンピオンは「hiroshi kikuchu」選手で、リアルプロ選手代表として出場した宇都宮ブリッツェンの鈴木龍選手は4秒差の13位という成績でした(209人出走)。

・2019年7月からeスポーツの新たなステップとして新ワンデーレース「Zwift Classics」がスタート。プロ選手やトップクラスのアマチュア選手の両方が参加可能で、5人編成のチームで戦うため実践さながらのチーム戦術が勝敗のカギとなります。才能あるアマチュア選手を発掘できる可能性もあります。

◯「選手発掘プログラムZWIFT アカデミー」

・選手発掘プログラムである「ZWIFTアカデミー」が4年目を迎え、過去の卒業生でトップ女子チームへ加入した「Tanja Erath」選手と「Leah Thorvilson」選手はどちらも他のスポーツ出身で、アカデミーを通じてプロ選手になったあとはワールドツアーのレース(リアル)で良いリザルトを残し、最近ではポイント賞を獲得する活躍もみせています。

また、「実走」に近づくカギとなるハード面の進化もどんどん進んでおり、高性能なスマートトレーナーが各社から発売されています。

すでに、「石畳の振動」「勾配の変化」「ダンシング」などは実現されており(もちろん人の後ろにつけばドラフティング効果によりペダルが軽くなる)、残すは「ハンドリング」機能の導入となっています。

そんな中、とうとう「ユーロバイク2019」でハンドリング機能を組み込んだイノベーションが発表され、より一層バーチャルとリアルの差が埋まりつつあります。

個人的には「将来的にはレースの半分以上がバーチャルライドになるだろう。しかし、ハード面の進化などを考えるとまだもう少し先の話かな?」と考えていましたが、この1年ほどの変化を見ていても、想定以上のスピードでいろいろなものが進化しているようです。

J SPORTSでバーチャルレースの模様をお届けする日が来るのもそう遠くはないかもしれませんね。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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