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現在ブエルタ開催中ですが、連日の激しい戦いをみていると、改めてプロスポーツというのは「実力主義」の厳しい世界だなというのを痛感します。
また、どんなスポーツでもそうですが、その競技のレベルが上がれば上がるほど「餅は餅屋」というか、自分の得意不得意が鮮明となり、その上で、「自分の得意分野で勝負できるようにならなければ生き残ることすらままならない=クビ」という厳しい現実を突きつけられてしまいます...。
一方、一般社会の中で仕事をしていると、個人の強み(得意不得意)というのが意図的にかき消されてしまうような場面に少なからず遭遇し、長らくスポーツの世界に身を置いていた者としては、一瞬戸惑う場面がちょくちょくあります...。
また、「あのひとは仕事ができる」や、逆に「あの人はあまり仕事ができない...」といった言葉を耳にすることも少なくありません。
ちなみに自転車ロードレースの世界で「仕事ができる」という言葉を聞くと、、、
◯毎年必ず何勝かを挙げれるスプリンター
◯大きなステージレースで安定して総合上位に入りUCIポイントを獲得できるオールラウンダー
◯山では負けなしのクライマー
◯長時間タフに集団を引き続けるルーラー
◯自身もエーススプリンターになれるのに最終発射台に徹するリードアウトマン
などを連想します。要は具体的な仕事内容と成果が明確に思い浮かぶのです。
しかし、一般社会のなかでよく聞く「仕事ができる」という表現が、いったいなにを指しているのかについては、実は未だによくわかっていない自分がいます...。
例えば、営業成績の良い営業マンであればまだわかりやすいのですが、ルーティーンワーカーの「仕事ができる」の概念などはとてもわかりづらかったりします(他の人の3分の1の時間で仕事を終わらせて就業時間中に本を読んでいたらサボっている人間になってしまいます→短時間で成果を出し更に本を読むことで知識を身につけているにも関わらずです...)。
また、マネージャー(管理職)についても、なにをどう評価すれば「仕事ができる管理職」となるのかがとてもわかりづらいです(ピーターの法則でいけば世の中の大半の管理職は無能となります...)。
むしろ、評価基準を「敢えて曖昧にしてるのではないか?」と思うくらい、一般社会に於ける「仕事ができる」の概念はとてもボンヤリしているのです。
正直、私自身が「この人はこの部分が秀でていて仕事ができるな」と感じるひとが「仕事ができない」というレッテルを貼られていたり、「この人は終始ちゃんとしている風だけど殆ど強みがないな」と思う人が「仕事ができるひと」という評価を得ていたりもします。
実力主義のスポーツの世界では得意分野と役割分担が明確になっているのに、なぜ一般社会(もちろんそうではないところもたくさんありますが...)では逆の傾向になっているのか?について、自分なりに研究してみたいと思います。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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