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本日、大晦日となります。
私事ですが、昨日めでたく47歳となり、そして、元号が変わる歴史的年まであと24時間を切りました(実際に変わるのはまだ少し先ですが...)。
ちなみに「自転車ロードレース解説者歴」は来年で丸19年となります。
そう、私が「ツール・ド・フランス」の初解説でガチガチに緊張していたあの頃に生まれた子供たちがもう19歳になってしまうのです...。
「生まれた時から栗村さんの拾えないボケを聞きながら育ちました!」というヤングがそろそろ目の前に現れてもおかしくないタイミングとなっているわけです...汗。
そんな、気がつけば「伝える」ということが仕事になってしまったわたくしですが、改めて「わかりやすく伝える」ということについて考えてみました。
当たり前ですが、「情報」というものは、相手に伝わって(理解されて)はじめて意味を持ちます。
特に上記のカッコ内に書いた「理解されて」という部分は非常に重要になります。
自分自身の経験や知識も、ネット上に氾濫している多くの情報も、それが伝えたい相手に「理解」されなければ、それらはもはや「無いに等しい」と言っても過言ではありません。
また、相手に伝える(理解してもらう)作業というのは、単に自分のやり方で口から音(言葉)を出すだけではまったくもって効果的ではなく、最悪の場合は相手を「睡眠(落車)」という、最悪の状態へ誘ってしまうリスクすらあったりするわけです...。
情報を伝えるという作業に取り掛かる前に大切になってくるのは、相手を「情報を理解する準備が整っている(興味を持った)」状態へと導くことです。
時に、「喜・怒・哀・楽」という人間の感情に敢えて触れにいき、こちらに顔と耳を向けてもらった状態でアウトプットを行うこともしばしばあります。
そして、最も大切な「伝え方」についてですが、ここは私にもまだまだ答えが見えていません...。
但し、一つだけわかっていることは、正しい日本語で、理路整然と、感情を込めずにアウトプットした場合、実は殆どの人は「その瞬間理解はできるが頭の中に情報があまり残らない」といった状況になりがちだということです。
人間はなんらかの意思や感情にスイッチが入っていなければ、情報を「自分のモノにできない」という傾向があるように感じます。
いろいろな知識レベルのひとたち、いろいろな価値観のひとたち、いろいろな精神状態のひとたち...。
このかなり多岐にわたった条件下でメディアという媒体をつかって一方通行の情報発信を行うことは決して簡単な作業ではありません。
それでも、これからもより多くの方々に「自転車ロードレース」の魅力を知っていただき、そして、このスポーツに触れたことで人生が豊かになっていただけるよう努力を続けていきたいと思います。
一年間お世話になり、ありがとうございました。
良い年末年始をお過ごしください。また来年もどうぞよろしくお願いいたします。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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