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「第105回 ツール・ド・フランス」が終了しました。
チームスカイのアシスト(サブエース)として今大会に出場したゲラント・トーマス(イギリス/32)が、3週間に亘って大きなトラブルやバッドデイなどに陥ることなく3,329kmの行程を力強く走り抜き、王者クリストファー・フルームに代わって、見事自身初となるグランツールでの個人総合優勝を飾りました。
ちなみにトーマスのこれまでのグランツールでの最高順位は総合15位であり、「五輪トラック選手⇒クラシックライダー⇒グランツールライダー」という華麗な転身を32歳という年齢で果たしたことになります。
トーマスが総合優勝を決めたあとに残したコメントのなかで、「毎日コツコツと、パニックにならないようリラックスして走り続けた。ここ数年ずっとグランツールで総合争いに加われるようトレーニングを積んで、ずっとタイミングを待っていた。長年の献身が報われた。」という内容がとても印象的でした。
これまで、チームスカイの多くのアシスト選手たちが自身の勝利を求めて他チームへ移籍していくなか、トーマスだけは多くの葛藤と戦いながらも、チームスカイに残ってチャンスがまわってくるのを待ち続けていたわけです。
「ツール・ド・フランスとは人生そのもの」という言葉があります。今年のツールから受け取ったメッセージを自分なりに解釈して下記にまとめてみました。
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人生は決して思い通りにはいかない。
もしかするとその大半が失敗と矛盾と理不尽さで形成されているのかもしれない。
それでも何度でも立ち上がって戦い続ける。
良いこと、悪いこと、すべてに感謝しながらも、時に、周囲に惑わされないように己の哲学に従い自らのペースで進み続ける。
例え自分たちを攻撃してくるものがいたとしても笑顔を絶やさず、そして、ユーモアという愛ですべてを包み込む。
大自然、時間、愛情、欲望、錯綜する感情、様々な価値観、etc、、、
それらすべてが「ツール・ド・フランス」を司る要素であり、そしてそれらから決して逃げずに向き合うことこそが勝利(人生)の本質なのだろう。
シャンゼリゼで頂点に立つということは、生きることの本質を知り、それを実行できた証なのかもしれない。
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「ツール・ド・フランス」には人間のあらゆる「本質」と「欲望」が詰まっています。だからこそ、これからもこのスポーツと向き合い続けていこうと思います。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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