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サイクル ロードレース コラム 2018年6月7日

文化の兆し

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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「ツアー・オブ・ジャパン」が終了してから、早速、静岡県及び大分市への出張が続いております。

2014年に「Jプロツアー最終戦」として初回大会がスタートした「OITAサイクルフェス」ですが、5年目となる今年、いよいよ当初からの目標だったUCI公認レースへのアップグレードに成功し、レース名を「OITA URBAN CLASSIC(UCI1.2)」と変え、九州唯一の国際自転車ロードレースとして10月14日(日)に装いも新たに開催されることになりました。

毎年10月に宇都宮で開催されている日本を代表する国際レースである「ジャパンカップサイクルロードレース」を手本にはじまった同大会ですが、まずは「JR大分駅」横での市街地型クリテリウム開催を実現させ、続いて昨年には、1周10kmの本格的な公道ロードレースコースを「大分スポーツ公園」周辺に設定し、国際化への準備を粛々と進めてきました。

国内では7つ目(ツール・ド・とちぎ(2.2)/ツアー・オブ・ジャパン(2.1)/ツール・ド・熊野(2.2)/ツール・ド・北海道(2.2)/OITA URBAN CLASSIC(1.2)/ジャパンカップサイクルロードレース(1.HC)/ツール・ド・おきなわ(1.2))となるUCI公認国際自転車ロードレースであり、今後は「九州版ジャパンカップ」を意識して、更なるアップグレードを目指していくことになります。

私自身、こういったロードレースが新たに生まれる際、いつも意識することというのは、レースそのものが一般社会に取り入れられ、いずれその土地の文化になっていけるか、という部分になります。

そういった意味で考えると、「OITAサイクルフェス」はまだ5年の歴史しか刻んでいないので「文化」という言葉を使うには時期尚早なのかもしれませんが、それでもこのイベントを通じていくつかの出会いが生まれ、そしてその後、自転車関係者ではなかった地元出身の若い人たちが新たな立場で今回のUCIレース開催のサポート業務に就くという、嬉しい現象も生まれはじめています。

これらは間違いなく「文化」への第一歩といえるでしょう。

この様なイベントというのは、最初に強い想いを持ったひとたちが半ば強引に物事を動かしはじめ、よくわからずに巻き込まれたひとたちがイベントを通じて成長し、一定の時間を経てからその価値に気付き、そして今度は自らの意思でイベントを次世代へと引き継いでいくという、正のサイクルがまわることによって誇るべき歴史が刻まれはじめるわけです。

自転車ロードレース開催を通じて雇用が生まれ、そして、その地域の人たちが成長する。

これこそが目指すべき姿だと強く感じます。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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