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サイクル ロードレース コラム 2018年5月11日

高次元の睡眠

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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現在、2018年シーズンのグランツール一発目となる「ジロ・デ・イタリア」が開催されています。

五流レーサーだった私自身は、グランツール出場の遥か手前で夢破れて挫折してしまったわけですが、そんな「負け犬」からみていつも「どうなんだろう?」と思うことがあります。

それは、グランツールに出場している選手たちというのは、いったいどの様な「睡眠」をとっているのか?という疑問です。

というのも、現役時代の私は、ステージレースに出場する毎に朝が辛く、毎朝、「もうこんなキツイ仕事今年で辞めてやる」と思いながら、あり得ないくらいダルいカラダを無理やり起こしながら目覚めていました。

起きてしばらくすれば「並の疲労感」に変わり、そしてスタート地点に着いた頃にはアドレナリン全開となり、スタートアタックを仕掛けていたりもしましたが...。

恐らくもともと朝が弱く、そこにステージレースの疲労感が加わり、その結果、あの「あり得なく辛い朝」が創りだされていたのかもしれません。

ちなみに、新城選手が「ツール・ド・フランス」に出場したての頃に、「毎日10時間寝ている」という記事をみたことがあります。

自分はというと、情けないことに疲れてくると徐々に睡眠も浅くなってしまい、ステージレース終盤には「寝れない⇒疲れる⇒更に寝れない⇒更に疲れる」という負の連鎖に陥ることも少なくありませんでした。

社会人になってから(選手としてのトレーニングやレース活動をしなくなってから)はあまり寝なくても平気になったのですが、それだけに選手時代のあの「辛い朝」の記憶を忘れることができません。

自転車ロードレースの選手が「超人」であることは、本場ヨーロッパの人々は誰しもが理解しています。

持って生まれた優れた才能に加え、あり得ないほどの量の努力を継続できる精神力。

その先にある高次元の睡眠(一晩で回復してしまう)とはいったいどの様なものなのでしょうか。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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