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今年も残すところあと一日となりました。
ということで、改めて今年一年を振り返ってみたいと思います。
今年は J SPORTS サイクルロードレース中継にとっては大きな変化の年となりました。
これまではほぼ独占状態でサイクルロードレース中継を行ってきたわけですが、新サービスの参入により、いくつかのレース中継が J SPORTS から離れることになりました。
他のスポーツではごく当たり前(放映権の移動)のことではありますが、20年間サイクルロードレース中継のトップランナーとして歩んできた J SPORTS サイクルロードレース中継にとっては初めての経験であり、私も含めて周囲には若干の戸惑いが生まれました。
しかし、ある程度時間が経ってしまうと「ライバルの出現は成長にとって必要なこと」と皆捉えるようになり、「自分たちができることをしっかりとやっていく」というスタンスへ次第に変わっていきました。
ビジネスモデルがまったく違うライバルと切磋琢磨するのはなかなか大変そうですが、それでもこのブログでも度々話題に挙げた「AIと競り合う」という近未来に待ち受けている現実よりかはよっぽど健全だと思うので、いろんなことに感謝しながらがんばっていきたいものです。
引き続き「2018年 J SPORTSサイクルロードレース中継」を宜しくお願いします。
もう一点、選手という観点でみると、今年はクリス・フルームの年だったように感じます。良い意味でも悪い意味でもになりますが...。
もちろんペテル・サガンの世界選手権ロードレース三連覇(レース解説はしていませんが...汗)もとんでもない偉業ですが、やはり個人的にはフルームがとても印象深かったです。
サイクルロードレースを長年観てきていつも感じさせられることというのは、選手たちの驚異的な精神力と、「文字通り山あり谷ありのなかで活動する選手たちみていると生きるということの本質を勉強させられる」という部分になります。
現在、ほぼどん底に落ちかけ、窮地に立たれているフルームは、いまこの瞬間をどの様に感じて過ごし、そしてどこから心のパワーを生み出して「あり得ない」ほどの厳しいトレーニングを消化しているのか、と、つい考えてしまう自分がいます。
彼を擁護するとかそういう問題ではなく、もっと根底にある「人生の残酷さ」と「人生の素晴らしさ」という巨大な矛盾を強く感じずにはいられません。
すべての人間が目に見えない「リスク」と「チャンス」の狭間で日々迷いながら数え切れないほどの決断を繰り返しながら生きているわけですが、その極端な位置にいるのが自転車選手たちであり、今後も彼らの活動や存在を通じて「サイクルロードレース」の本質を伝えていきたいと思います。
皆さまには今年一年大変お世話になり本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは良いお年をお迎えください。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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