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何かのタイミングで発生した調整時間や待ち時間中などに、たまに本屋に入ってビジネス本などを読むことがあります。
また、電車移動中にビジネス系の情報サイトなどをチラホラチェックしたりもしています。
そこには「~ができるひとの~術」のような記事が溢れていたりしますが、「たしかにこれ全部できたらすごい変わるだろうな」というものもあれば、「ん~なんとなくだいたいやってるなあ」という内容のものもあります。
また、「いや、これは自分がやっている業種や環境には当てはまらないだろうなあ」と感じてしまう記事もあります。
ちなみに「ビジネス本」などに書かれている内容を自分なりにものすごく簡潔に要約してしまうと、「人間心理(自分及び他人)の活用術」というところに帰結してしまいます...。
もちろん、技術的なことが書かれている本もありますが、大半は、「自分」もしくは「他人=チーム」が効率的に無駄なく動くための「スキル」「コツ」「アイデア」などが書かれています。
ビジネスとは、「人間が不完全(サービスを提供する側も受ける側も)」だからこそ競争原理が働き優劣がついているわけで、もし、すべての人間がプログラム通り(ビジネス本に書いてある内容通り)に機械的に動き、ニーズも単一となってしまえば、最後は「極限まで効率化されたルーティン」のみが残ることになるのだと感じます(その中での段階的なテクノロジーの進化は可能でしょうが)。
世の中を動かしているのは「できる人たち」であることは間違いありませんが、「できる人たち」が評価されているのは、「できない人たち」の存在があるからに違いありません(人間社会に於けるできるとはその大半が絶対値ではなくて相対値なので)。
かつて、ヨーロッパのあるプロ選手がチャンピオン級の選手に向かって「あたなが1流なのは俺たち2流選手がいるからだ」と言い放ったという話を聞いたことがあります。
負け犬の遠吠えの様にも聞こえますが、たしかに真理はついていると思います。
ビジネス本が売れるのは、「その通りにできない人」が多いからであり、英語の教材が売れるのも、「喋れるようになれない人」が多いからです。
どちらも皆が達成してしまえば(もしくはできるようになるシステムが構築されてしまえば)、ビジネス本も英語の教材も必要なくなってしまいます。
現在、「AI化」という波が、間接的に上記の世界を静かに構築しようとしています。
「AI化」を進めるビジネスを展開しているひとたちというのは、いまは「平均的な人間に対して優れている」からこそ大きな対価を得ていますが、いずれ、自分たちがつくったシステムが急速に進化し自分たちすらも上回ってくる過程で「自分自身(もしくは子孫)の価値」も脅かされる事態に直面することを理解できているでしょうか。
私自身、現状、自分自身がいる世界に於ける「正常な進化(効率化)」を真剣に求めています。
しかし、究極的にみてその先に待っているものが真のハッピーエンドだとも思っていません。
たまに、本当になにもない大自然のなかに独り身を置くと、まったく異なった価値観を突きつけられることがあります。そこでは「ビジネス本」に書かれた内容が全てとは言いませんが殆ど役立たないからです。
「ビジネス本」がよく売れる時代というのは、人間がまだ人間らしく生きられていることの証なのかもしれません。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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