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サイクル ロードレース コラム 2017年3月20日

新たな兆し

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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3月18日(土)~19日(日)の2日間に亘り、2017年の 『Jプロツアー』 開幕戦となる、『JPT第1戦 JBCF宇都宮クリテリウム(3/18/於:宇都宮市清原工業団地)』 と 『JPT 第2戦 JBCF宇都宮ロードレース(3/19/於:宇都宮市福岡町森林公園通り)』 が盛大に開催されました。

まず土曜日に開催された今回で4回目を迎える 『宇都宮クリテリウム』 を制したのは、Jプロツアー登録名で話題を呼んだ 『仁義なきマトリックスパワータグ』 改め 『マトリックスパワータグ(諸事情により通常の登録名に戻ってしまいました...)』 のスプリンター吉田隼人選手。

続く日曜日に開催された今年初開催となる 『宇都宮ロードレース』 を制したのは、地元栃木の地域密着型チーム 『那須ブラーゼン』 のエース、吉岡直哉選手でした。

2日間とも 『さすが宇都宮!』 と実感する 『Jプロツアー』 としてはトップレベルの演出や観客の多さに改めて感心するとともに、レースの方も各チームの力量差が更に拮抗していることを感じさせる、最後までスリリングな展開が両会場で繰り広げられていました。

2017年の開幕2レースの内容をみて感じたことは、ここ数年の間に新たに誕生した 『地域密着型チーム』 の多くが、チーム運営に苦労しながらも徐々に力を付けはじめ、地域密着型チームのカリスマ的存在である 『宇都宮ブリッツェン』 や、伝統ある 『各ワークスチーム』 らとの差を詰めはじめいているという点でした。

また、選手個別で見ても、若い選手たちが上位に食い込むようになり、『新しいチームが若い戦力を育てはじめている』 という嬉しい兆しを明確に感じることもできました。

物事というのは、なにかをはじめてからそれが一定の成果を生み出すまでに、必ずある程度の時間を要することが一般的です。

『Jプロツアー』 というシステムもし然り、そこで生まれ、そこを主戦場としている各チームも然りです。

まだまだ改善点が多く残されている 『レースシステム』 と 『各チーム』 ではありますが、しかし、粘り強く 『PDCAサイクル』 をまわし続けつつ、諦めずに取り組みを継続していけば、必ず結果が現れるフェーズへとたどり着くことができるはずです。

そういった意味では、今回、宇都宮で勝利を挙げた 『マトリックスパワータグ』 と 『那須ブラーゼン』 の2チームは、チーム形態は違えど、それぞれが多くの困難を乗り越えてきた 『苦労人チーム』 という共通点があります。

そして、こういったチームが勝利を挙げた瞬間には、彼らを支えてきたサポーターたちから大きな歓喜が生まれます。

まだいろいろな部分で道半ばな世界であることは間違いありませんが、単に 『完成された世界で淡々と仕事をする』 のではなく、『新しいなにかを生み出そうと必死に戦っている』 彼らとともに、今後も根気よく歩みを続けていきたいと思います。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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