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昨日は、明治神宮外苑で開催された 『第11回 明治神宮外苑大学クリテリウム』 の会場解説を担当してきました。
実は私自身、同レースを生で観たのは初めてであり、東京の中心部で開催される 『全日本学生ロードレースカップ・シリース最終戦』 の盛り上がりに、図らずもポジティブな驚きを感じてしまいました。
ちなみにこれまでも学連(日本学生自転車競技連盟)のレースは、インカレをはじめ、いくつかのレースを現地で観戦してきましたが、『明治神宮外苑クリテリウム』 の様に各校の応援団が会場に駆けつけ、盛大な応援を送っている光景を観るのははじめての経験でした。
学連のレースを観ていつも感じることは、日本のスポーツ文化は、やはり 『学生スポーツが中心的存在である』 ということです。
成熟したプロスポーツを持つ各競技に於いては、高校や大学の全国大会もテレビ中継されることが多く、更にある程度の視聴率を獲得してしまうといわれております。
国内に於いてはマイナースポーツのジャンルに入る他のプロ競技よりも、メジャーなスポーツの学生大会の方が大きなバリューがあるのは紛れもない事実といえるでしょう。
また、『国内の自転車ロードレース』 という小さな括りのなかでみても、やはり、学生レースが持つエネルギーは決して小さくないと感じます。
残念ながら、日本国内に於いては 『自転車競技(競輪以外)』 の文化的認知度はまだまだ決して高くありません。
『自転車レースそのものの存在を知らない』、『なんとなくは知っているけど詳しいルールは知らない』、『ツール・ド・フランスをテレビで観たことはあるけど日本のチームや選手についてはまったく知らない』 など、人によって多少の違いはあれど、自らの意思で自転車競技を積極的に観戦し、そして、様々な知識を得ようとするファンの絶対数はとても少ない状況です。
一方で、私が 『宇都宮ブリッツェン』 の監督時代に経験した 『地域を応援する』 というマインドというのは、極端なはなし競技がなんでもあっても成立するモチベーションであり、『学校を応援する(OBなどを中心に)』 という学生スポーツが持つマインドととても近いものがあります。
あるスポーツの魅力を切り口に興味を誘うよりも、『地域』 や 『学校』 というキーワードで誘ってしまい、それをきっかけに徐々にそのスポーツ自体を知ってもらうほうがより効率的だと感じます。
また、学生スポーツが担う、ジュニア(高校生)やアンダー23(大学生)というカテゴリーというのは、競技者の発掘の場として非常に重要な時間軸であるのと同時に、このタイミングで彼らが身につけた価値観というのが、その後の競技人生に於いて決定的な意味を持つことも同様に重要な要素といえます。
以前から言っていることではありますが、日本国内の 『学生レース』 の存在とその方向性こそが、日本の未来を決定づけるのだと感じています。
そんなこともあり、今後も学生レースに注目していきたいと思います。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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