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サイクル ロードレース コラム 2016年9月30日

プロ観戦者

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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J SPORTSサイクルロードレース中継のなかでたまに使うフレーズの一つに 『プロの観客』 という言葉があります。

これはわたしのなかで勝手に世界一と認定している 『ベルギーのサイクルロードレースファン』 のことを指す表現であり、『生観戦のためのスキル』 や 『各種グッズの集め方』、『それらの楽しみ方』、更には 『ゴシップ関連の情報の多さ』、『レースを語り合う居酒屋トークの濃さ』 など、プロの興行としてのロードレース文化が最も発達している国のファンたちをリスペクトしたいがために口にしているワードなのです。

実は今年から、『ツアー・オブ・ジャパン』 のオフィシャルコンテンツとして、『プロ観戦者への道』 というサービスを開始しました。

『メディア』 と 『ファン』 なくしてプロスポーツは語れないわけですから、もし自転車界が 『本気』 であるならば、『選手強化』 と共に同じくらい 『ファンの育成』 にも力を入れなくてはならないはずです。

今時、『選手の強化』 のみでスポンサーが付くほど世の中あまくはなく、『スポーツ』 を 『競技』 だと思い込んで神聖化してしまっているのは私も含めた内部の人間くらいなものであって、本質的にいえば、『プロスポーツ』も、『アイドルグループ』も、『スマホゲーム』も、大枠でみた場合の仕組みに大差はないのが現実なわけです。

もちろん、『スポーツ』 というのは、出演者(プレイヤー)の 『本気度』 や 『筋書きのないドラマ』 という脚本上のバリューに於いて他のコンテンツを大きくリードしている部分が多々ありますが、一方で、競技性が強くなり過ぎてしまうと全体が排他的になってしまい、人やお金を遠ざけてしまうという皮肉な結果に陥りやすくもなります。

国内の自転車界は 『排他的』 なひとの割合が多い時間帯が長らく続いたこともあり、その規模の割には 『世間一般の人とお金の流れ』 から隔離されている傾向がここ最近まで続いていました。

しかし、いくつのチームがようやく 『通常の取り組み』 をはじめたこともあり、徐々にですが、『世間一般の人とお金の流れ』 というものが自転車界にも流れ込んでくる兆しがみえはじめてきています。

そんななか、『プロの観戦者への道』 を開始して意外だなあと思った傾向があります。

それは、サービスを利用するユーザーの女性比率が非常に高く、また、若い女性が国内の選手たちに注目しているという点です(上記写真ではなぜかお面で顔を隠していますが...)。

現在はまだパイ自体が小さいので当然小さなコミュニティーとなっていますが、今後パイが広がっていけば、様々な可能性が広がりはじめるのは間違いありません。

本場のトッププロたちが 『世界一のファン』 と評価する日本のサイクルロードレースファン。

引き続き多面的な活動を続けていきたいと思います。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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