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『第71回 ブエルタ・ア・エスパーニャ』 が終了しました。
見事、総合優勝を飾ったのはコロンビアの英雄、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)で、2014年の 『ジロ・デ・イタリア』 に続く2回目グランツール制覇を達成しました。
また、コロンビア勢としては、1987年の ルイス・ヘレラ(カフェ・ド・コロンビア)に次ぐ2度目のブエルタ勝利となり、マドリードに詰めかけた多くのコロンビア応援団を歓喜の渦に巻き込みました!
近年、破竹の勢いをみせるコロンビア勢ですが、最初にコロンビア勢が本場欧州で台頭しはじめたのは、上記のルイス・ヘレラなどが活躍した1980年台であり、その頃のコロンビア人選手はほぼ100%がクライマーという選手構成であったと記憶しています。
その後、2000年代に入ると、サンティアゴ・ボテーロ の様な個人タイムトライアルでも素晴らしい走りみせるコロンビア選手が生まれ、第2期黄金期を迎えます。
そして第3期黄金期といえる近年は、コロンビア自転車競技連盟の長期的な選手発掘・育成プログラムの実施により、クライマーやTTスペシャリストだけでなく、かつてのコロンビア勢のイメージからは想像もできなかった優秀なスプリンター(代表的な選手としては フェルナンド・ガビリア/エティックス・クイックステップ/オムニアム世界チャンピオン)も続々と生まれはじめています。
今年の 『ブエルタ・ア・エスパーニャ』 では ナイロ・キンタナ だけでなく、エステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ)や、ダルウィン・アタプマ(BMCレーシング)なども素晴らしい走りをみせており、今回の黄金期が良い意味で長期化していくことが示されています。
『高地民族』 という地理的なアドバンテージに加え、サッカーに並ぶ国技として国が強化に乗り出したことが、現在のコロンビア勢の活躍を後押ししていると言われています。
すでに1980年代の 『ツール・ド・フランス』 などで総合優勝争いを繰り広げてきた強豪国なわけですから、そのまま日本がお手本とするのは若干無理がありますが、それでも、イギリス・オーストラリア・アメリカなどと並んで、ロードレース否伝統国の強豪国として、今後の日本が取り入れていくべき要素を数多く持った国であることはいうまでもありません。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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