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サイクル ロードレース コラム 2016年9月9日

コースづくり

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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本日は、『ツアー・オブ・ジャパン いなべステージ』 のコース調査のために三重県いなべ市へ行ってきました。

『ツアー・オブ・ジャパン(日本でのレース開催)』 の場合、コースなどに若干の変更が発生した際でも、やはりある程度の人間が動いて確認作業などを行う必要があります。

現在、スペインにて開催中の 『ブエルタ・ア・エスパーニャ(別府選手、敢闘賞獲得おめでとうございます!)』 を見ていていつも思うのですが、毎年コースを変えて開催される通常のステージレースというのは、いったいどうやってコース設定や各種準備、その他手続きなどを行っているのか不思議になります(日本国内では唯一ツール・ド・北海道のみが毎年コースを変えて開催されています)...

ルーティング専門の部隊がいて、どの様なオペレーションでコースを創っていくかなどの基礎知識はもちろんありますが、それでも、理屈で理解しているのと、実際にやれるのとでは話がまったく違ってきます。

日本国内で公道を使用して開催されるロードレースというのは、レースの難易度や展開などを加味する前に、考えなくてはいけないこと、やらなければならないことが多すぎて、本来チームや選手、観客が最も気にする 『勝者やレース展開をデザインする』 という、コースをつくる上で最もプライオリティが高くなくてはならない要素が、優先順位的に下位に追いやられてしまっているのが現状です。

ある程度わかっていることではありますが、グランツールを開催するためのコース準備というのは、やはりヨーロッパに於ける自転車ロードレースの文化的な地位の高さがベースとなっているのは間違いありません。

それにしても、毎年、3週間のレースをコースをフルに変えて開催することは、普通に考えて尋常なことではありません。

更にASOに関しては 『ツール・ド・フランス』 だけではなくて、数多くのレースをシーズンを通して世界中で開催し、更にそのクオリティも世界一なわけですから、どれだけ優秀な人材が集まっているのか?とため息がでてしまいます。

以前、パリのASOへ行った際に、ASOの社員(現場スタッフではなくて運営側)やグループ会社の幹部などと会って話す機会がありましたが、やはり社会的にエリートと呼ばれる学歴や職歴を持った人たちの集まりであることがひしひしと伝わってきました。

『私のような雑草人間とは次元が違うなあ』 と思いつつも、目指している世界を実現している人たちであり、尊敬と共感を強く感じたりもしたものです。

私自身、ブエルタ放送中に 『スペインクオリティ』 と茶化したりはしていますが、本音では 『そりゃこれくらいの誤差くらいはでるよ。ツールが凄すぎる...』 と思っていたりもします...

その 『ブエルタ』 もいよいよ今週末でフィナーレを迎えます。

ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)が有利な展開となっていますが、最後までわからないのが 『ブエルタ』 でもあります。

最終決戦に注目です!

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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