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サイクル ロードレース コラム 2016年2月24日

あの頃のわくわく感

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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2月も下旬に入り、自転車ロードレースシーズンもいよいよ本格化してきました。

シーズン中は解説者としての仕事もはじまるので、日々ロードレース関連の情報収集は欠かさず行っています(とても全ては追いきれませんが...)。

世界中で新しいレースが生まれ、一年を通して同時進行的にレースが開催されているので、それらを全て追い続けるのはまさに至難の業といえます。

また、嬉しい悩みではありますが、レースを観戦するためのメディアも非常にバラエティに富みはじめているので、全ての情報に触れようとすると、恐らくそれだけで一日の大半の時間を消費することになってしまいます。

更に嬉しいことに、現代では選手個人がTwitterなどでリアルタイムに情報を配信し、チームもWEBメディアさながらの厚みのある情報を日々提供し続けています。

情報を提供するメディア側のスピード感もWEB媒体を中心にどんどん加速していき、需要と供給のバランスでいえは、完全に供給過剰な状況に陥ってしまっています。

恐らく、一部の 『SNSのスペシャリスト』 の人達しか、情報が飛び交うこの荒波のなかを乗り切れていない気がします...。

私がロードレースに目覚めた1980年代前半というのは、もちろんインターネットはありませんでしたし、テレビで海外のレースを観れる機会も年に1〜2回程度と、完全に需要(個人の意識レベルですが)が供給を大きく上回っている状況でした。

当時は新宿にある大型書店に1ヶ月以上遅れで入ってくる『洋モノ』 を胸を高鳴らせながら買いに行ったりもしました。

そのトキメキとドキドキは、小学生の頃に公園に落ちているハレンチな書物を発見した時のあの著しい高揚感をも大きく上回るものがありました。

そんなこんなでふと思ったことがあります。

一週間くらい自転車関連の情報を遮断してみたら、かつての『もっとください!』 状態が蘇るかもしれない!と。

まあ、実際に遮断することは不可能だとは思いますが、なんとなく満員電車の中で悶々とそんなことを考えてしまいました。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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