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サイクル ロードレース コラム 2015年3月25日

独裁政権?

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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ティンコフ・サクソのスポーツディレクター、ビャルネ・リース氏が、今シーズンの成績不振を理由に、チームのレース活動から一時的に除外されているというニュースを一部メディアが報じています。

リース氏といえば元々のチームオーナーであり、多くの選手たちから慕われてきたわけで、もし報道が事実ならば、この決断を実行したのはオーナーのティンコフ氏以外考えられません。

ティンコフ氏は、ほかにもスポーツディレクターとしてチームに長らく仕えてきたモデュイ氏らをクビにするなど、オーナーとしてチーム改革を大胆に実行してきました。

真実は本人たちにしかわからないとはいえ、もし、これらの出来事が事実に近いのならば、ティンコフ・サクソの今シーズンの活躍が非常に心配になってきます。

もちろん、プロスポーツの世界なので、厳しい面はある程度覚悟しなければなりませんが、それでも人間の精神構造を考えると、グループ内がかなり不安定になることは容易に想像ができます。

リース氏は黒いウワサが常に付きまとっているものの、少なくとも現場からの信頼は厚い気がします。

一方、ティンコフ氏は莫大な資産を持つチームオーナーであり、彼へのリスペクトの多くは彼が持つ資産から派生している気がします。

リース氏がこれまでのスキャンダルを理由に現場から退いたならば、それは広い意味で自転車界にとって良いことではありますが、単純に成績不振のみでチームから外されかけているのならば理不尽さを感じます。

すべては各種報道をもとにした私の憶測ですので真実は一切わかりませんが、絶対権力型の露出度の高いリーダーが君臨した国や各種グループが、一定の時間を経て崩壊するというパターンは歴史上数多く繰り返されてきました。

コンタドールやサガンといった、ロードレース界のスーパースターが多く所属しているチームなだけに、個人的にはとても心配なニュースであります。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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