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先日、羽田空港の手荷物受取所にて、壁際のちょっとした棚の上にスマートフォンを置き忘れてしまいました。
1995年に初めて携帯電話を買ってからこれまで紛失したことは一度もなかったので、正直軽くパニクってしまいました…
『とりあえず電話をしよう、あっ携帯がない…』
『とりあえずメールをしよう、あっ携帯がない…』
『とりあえずPC開いて電話止めたりするための情報を得よう、あっテザリングできない…』
『公衆電話見つけたからここから電話しよう、あっ電話帳はクラウド上だから番号わからない…』
『一先ず喉乾いたから飲み物買おう、あっおサイフケータイないから買えない…』
スマートフォン1個なくなるだけでなんにもできなくなる自分に気付きました…
今や海外にいる時でも日本と同じように普通に使えるスマートフォン。
異常なほど便利である一方で、この便利さを最大限利用して仕事や生活を成り立たせていると、それがなくなった時の衝撃は半端ないことがわかりました。
情報化社会のなか、通信だけでなく、“記憶”や“効率化”の部分をガジェットに担当させることによって自分の脳のキャパを節約しているため、スマートフォンがなくなるということは、自分の脳の一部がなくなるのに等しい状況に追い込まれてしまいます。
殆どのデータがクラウド上にあってバックアップもしっかり行っていればすぐに全てを復旧できるでしょうが、そのたかだか十数時間ですら気が気ではありませんでした…
結局、スマートフォンは翌日無事に見つかりましたが、見つかったことがわかった瞬間は、なんというか、とてつもなく大きな幸福感に満たされてしまいました
東京五輪招致最終プレゼンで滝川クリステルさんが、『東京で何かを無くしても、ほとんど戻ってくる。それが現金であっても…』 と、話していましたが、こんな国は世界的にみてとても稀なエリアに分類されると思います。
ある国では、『落し物が戻ってくる確率は宝くじに当たるよりも低い』 と言われているようです…
もちろん日本にも変な人はたくさんいます。
それでもやはり自分が生まれたこの国に誇りを持ちたいと思います。
世界には、日本に生まれたかったと感じている人、日本人のパスポートを持ちたいと思っている人は、我々が想像する以上にたくさんいるのですから。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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