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正月三が日が終わりました。
この年末年始は、片付けやら取材やらHPの更新やらで、例年以上に慌ただしく過ごしてしまいました…
正確にはまだその慌ただしさは落ち着いておりません…
以前、トイレの中で年を越した経験がありますが、今年は作業つなぎを着たままでの年越しとなりました。
何事にも見通しが甘いのかどうしても時間に追われてしまいます
さて、そんな年末の12月31日に東大卒のプロレーサー、西薗良太選手が引退を発表しました。
1987年生まれの26歳。
今年のツアー・オブ・ジャパンでは総合6位のリザルトを残し、欧州のトップレースも経験してまさに“これから”というタイミングでの引退となってしまいました。
本人には現役続行の意志があったようですが、所属していたチャンピオンシステムの解散決定後、彼自身が納得できるチームとの契約がまとまらず、結局いくつかのチームからオファーがあるなかで潔く引退を決意したようです。
宇都宮ブリッツェンに所属していた飯野智行選手(1989年生まれ24歳)の電撃引退に続き、日本ロードレース界は2013年に二人の才能ある選手を失ったことになります。
二人はあらゆる面でまったく違うタイプですが、一つだけ共通点があります。
それは、彼らには“別の選択肢”があったということです。
私のように高校を中退してフランスへ自転車留学を決行してしまったような人間には、もはや別の選択肢が残されていませんでした。
それが私の弱みであり強みでもあったと思います。
飯野選手は自分自身にロードレーサーとしての才能があることを理解していながらも、成功すればもっと稼げる可能性のある“競艇”という世界を選択をしました。
西薗選手も同様にプロレーサーとして走る環境はあったにも関わらず、次の人生に向かって一歩を踏み出しました。
ある意味で、今の国内ロードレース界が抱える問題が露呈してしまったという見方もできます。
もちろん 『早めに区切りをつけて次の人生を歩きはじめた方が良い』 という考え方もありますが、今回のケースは才能と可能性のある選手二人がかなり早い段階で別の道を選択してしまったということで、才能のない選手がダラダラと競技を続けているパターンとは状況が異なります。
個人的には彼ら二人の挑戦を今後も応援していきたいと思いますが、一方で相応の危機感を持たなくてはいけないと強く感じました。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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