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サイクル ロードレース コラム 2013年9月30日

自転車操業の行く末

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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今期限りで活動を停止するかもしれないプロチーム&プロコンチネンタルチームが続々と報道されはじめています。

エウスカルテル・エウスカディ(プロチーム/スペイン)
ヴァカンソレイユ・DCM(プロチーム/オランダ)
ソジャサン(プロコン/フランス)
チャンピオンシステム(プロコン/中国)
クレラン・ユーフォニー(プロコン/ベルギー)

今年のツール・ド・フランスに出場したチームが実に3チームも含まれています。

また、2012年からアジア初のプロコンチネンタルチームに昇格し、将来的にはツール・ド・フランス出場を視野に入れていたはずのチャンピオンシステムも僅か2年でそのチャレンジを断念することになるようです…

自転車ロードレース界の良いところは、各チームとも行き当たりばったりの“自転車操業的”なずさんなチーム運営でも、世界最高峰のレースであるツール・ド・フランスへ手軽に挑戦できるところです。

年間予算10億円ほどをかき集め、選手やレースオーガナイザー、UCIなどにコネクションを持つ人材さえ確保できれば、ゼロから最短2年ほどでツール・ド・フランス出場にこぎつけることも不可能ではありません。

もし、クックソン新UCI会長が他のスポーツと同等レベルまで自転車ロードレース界のシステムを改善した場合、勢いでトップチームを創ることは難しくなってしまうでしょう。

同時に、実力以外の部分で突然職を失う選手の数も劇的に減ってしまうことでしょう…

日本登録のトップチームのなかにも、未だに給与の未払いが発生しているチームがあるという噂を聞きます。

しかし、そういったことがあっても選手たちが泣き寝入りするだけであって、チーム管理者がペナルティを受けることも、その事実をスポンサーや周囲に知られることもまずありません。

果たしてこの様なスポーツに優秀な人材が集まってくることはあり得るのでしょうか?

『厳しさ』 『ハングリー精神』 『根性』

上記の言葉はロードレースの選手にとってとても大切な要素です。

しかし、実際は特定の人たちにとっての都合の良い言い訳ワードとして使われてしまっている様な気がします。

自転車を使うスポーツなだけに、やはり 『自転車操業に手を染めなくてはならない』 という暗黙のルールがあるのかもしれません。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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