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サイクル ロードレース コラム 2012年11月20日

良いチーム

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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『良いチーム』という言葉の意味には様々な解釈があります。

私自身が考える『良いチーム』というのは、現場に進化するためのシステムがあるチーム。

わかりやすく言うと、選手たち自身が進化のプロセスを創りだせるチームです。

それではこの様なチームに於ける監督(リーダー)の仕事とは?

1. 進化できる可能性の高い人材の組み合わせの構築
2. 理念や具体的な目標の設定
3. 活動するための明確な価値観の提供
4. 問題が起きた時の修正能力

といったところでしょうか?

『1』 の人材の組み合わせというのは非常に重要です。

ある人にとってはとても有益な効果を生む人であっても、ある人にとってはストレスにしかならないというパターンもあります。

正直、これはやってもみないとわからない部分が大きいのですが、もし問題が生まれた場合には 『4』 の修正能力が重要になってきます。

但し、同じような考えを持った人材だけを集めてもチームは伸びません。

ポジティブな意味での『多様性』を見つけ出すことがポイントとなります。

次に 『2』 ですが、これなしに良いチームを創る方法があれば逆に教えて欲しいものです。

『毎日努力するんだ!』、『世界に挑戦しろ!』、という抽象的な言葉だけで長期間モチベーションを維持させることは不可能なはずです。

『3』 の価値観の提供ですが、『2』 が行動するための動機作りなのに対し、『3』 は行動のあとに生まれる感情のケアになります。

目標を達成するために努力を続けてある程度の結果は残したけど…

特にマイナースポーツに於いてはこの項目が大きな意味を持ちます。

価値観を見出だせないスポーツに残る人材というのは、一般的に『変わり者』と呼ばれる人たちばかりになってしまいます。

そして 『4』 の修正能力、人が集まれば必ず問題が生まれます。

問題が大きくなる前の段階で介入し、皆が納得する形で軌道修正しなくてはいけません。

これらはあくまで私が考える『良いチーム』のカタチです。

他にも、リーダーが『閉鎖性』と『洗脳能力』などを使ってチームを構築する方法があります。

このやり方は、若年層や依存性の高い人材が集まったチームで効力を発揮するでしょう。

結局のところ、『良いチーム』という言葉に正解はないということです。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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