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本日開催された『パリ〜ニース』の第4ステージに於いて、ベルギーの中堅選手ジャンニ・メールスマン(ロット・ベリソル)が約60名ほどに絞られた上り基調のスプリントを制して大金星を飾りました。
これでベルギー勢は第2ステージのトム・ボーネンに続いてステージ2勝目。
ベルギーという国は自転車競技がナンバー1スポーツとして認識されている数少ない国なのですが、その人気の高さに比例するようにこれまでも数多くの有力選手を輩出してきました。
ちなみに今年のシクロクロス世界選手権では、ベルギー勢が1〜7位を独占。
更に昨年開催された伝統あるクラシックレースでは、ベルギー勢が実に8勝を挙げています。
ミラノ〜サンレモ マシュー・ゴス(オーストラリア)
ヘント〜ウェヴェルヘム トム・ボーネン(ベルギー)
ロンド・ファン・フラーンデレン ニック・ニュイエンス(ベルギー)
パリ〜ルーベ ヨハン・ファンスュメレン(ベルギー)
アムステルゴールドレース フィリップ・ジルベール(ベルギー)
フレッシュ・ワロンヌ フィリップ・ジルベール(ベルギー)
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ フィリップ・ジルベール(ベルギー)
ヴァッテンフォール・サイクラシックス エドヴァルド・ボアソン・ハーゲン(ノルウェー)
クラシカ・サンセバスティアン フィリップ・ジルベール(ベルギー)
パリ〜ツール フレフ・ファン・アヴェルマート(ベルギー)
ジロ・ディ・ロンバルディア オリヴァー・ツァウグ(スイス)
ベルギーは、人口約1,100万人(日本の約12分の1)、総面積は約3万km(四国の約1.5倍)の小さな国で、年間降水日が300日あり、道路の舗装状態も決してキレイとは言えず、ロードバイクで走っていてお世辞にも“快適”とは表現できない国なのです。
それなのに、自転車競技の人気が異常に高く、また、選手のレベルも長期間に渡ってハイレベルを保っています。
ベルギーの自転車ファンというのは、完全に“オタク気質”であり、ポストカードなどの収集癖には目を見張るものがあります。
僕自身、彼らには親近感というか、完全に同じ匂いを感じてしまうわけですが、きっと、ベルギー勢の強さというのは、そんな熱狂的なファンの存在に支えられている部分も多分にあるのだと思います。
近年、本場ヨーロッパ以外の国の選手達も猛烈に力を伸ばしており、自転車競技のグローバル化がどんどん進んでいるわけですが、そんななかで本場欧州勢がしっかりと威厳を保てているのはベルギー勢の活躍あってこそなはず。
今シーズンも、そんなベルギー勢の活躍から目が離せません。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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