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サイクル ロードレース コラム 2011年12月29日

父親の背中

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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父親が他界して来年で10年になります。

と言っても、生きている父親と最後に会ったのは、自分が高校を中退して渡仏する直前の17歳の時。

その後再会した時(自分が30歳)には、既に病院のベッドの上で息を引きとっていました。

なので、僕自身は父親から直接何かを教わったという記憶が殆どありません。

また、一人っ子だったこともあって、なんでも自分で考えて行動するクセが小さい頃から身についてしまっていた気もします。

現在、20歳近く歳の離れた若い選手たちと接する機会が増えています。

彼らに教えたいことはたくさんあります。

しかし、すぐに手を差しのべること、先に答えを教えてしまうことが、プラスではないことも知っているつもりです。

自分の父親は、決して人生を器用に生きたわけではありません。

しかし、今思えば、そんな父親から間接的に多くのことを学んだのだとも思っています。

表面上は力強くリードしてくれたわけではなくとも、生きていく上で大切な事をたくさん教えてくれました。

そして、自分自身も、どこかでそういう存在になりたいと願っているのかもしれません。

ロードレースというスポーツを選んだ若い選手たちが、選手である前に、魅力的かつ強い男として成長していく姿を見守っていきたい。

喉の痛みと微熱に悶えながらそんなことを考えてしまいました

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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