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本日、宇都宮ブリッツェンのサプライヤーさんである「株式会社東商会」さんの創業100周年記念式典に出席してきました。
会場に向かう途中、ツアー・オブ・ジャパンの東京ステージのスタート地点「日比谷公園」前を通り、「こんな東京の中心部でレースしてたなんて凄いことだなあ」と改めて感心してしまいました。
ツアー・オブ・ジャパンには、選手・スタッフを通して第1回大会から1年を除いて全て参加してきたので、開催中止となってしまった今年はなんとなく寂しい気がします。
話しは変わりますが、昔、ある先輩に「おまえが上になったら後輩におごってやれよ」と言われ、よくご飯代などを出してもらっていました。
自分がおっさんになってからはその教えを守って、なるべく後輩などにはおごるようにしています。
この先輩から言われた言葉は、自分のなかで何故かとても印象に残っていて、今でも心のなかに染み着いています。
自分は中学生の時に、ツール・ド・フランスをテレビで観てプロになることを夢見、その後17歳で高校を中退してフランスに渡ってプロを目指し、5流選手で終わってしまったけどなんとかプロ選手になって、そして運命に導かれるように今もまだレースの世界に残っています。
恩返し…
選手時代はチームのスタッフさんたちにお世話になりました。
なので、自分が選手を引退してからはスタッフになって、ある意味で選手たちに恩返しをしています。
そしてチームを運営する立場になってからは、レースを主催してくださるオーガナイザーの方々にお世話になっています。
もしレースが無くなれば、チームの存在はある意味で無になってしまうわけですから…
そういった観点では、自分の次の恩返しはレースの世界を作ることになるのでしょうか?
宇都宮ブリッツェンの選手たちには、いま自分たちがやっていることを時が来たら順次引き継いで欲しいと伝えています。
自分は国内の実業団チームとしては契約選手第一号となりました。
その後、契約が発生する形での監督業を10年続けてきました。
自転車ロードレース解説者としてもすでに11年目となります。
この全てを次世代の人たちに順次引き継いでいって欲しいと考えています。
そして、自分は次の“職”を切り開いていかなくてはいけません。
正直、自分自身の保身も考えたいところてすが、需要がなくなり、新たな分野に進むパワーがなくなった時は、潔く引退したいです。
夢を請け負う場所に、想いのない人間が残っていれば、確実に老害になってしまいますからね…
思い出の場所、日比谷公園の横を早歩きで急ぎながらそんなことを思いました。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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