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福岡県のアイランドシティ中央公園で開催された「Tour de Fukuoka」に参加してきました。
今年初めての開催となったこのレースは、1周1.45kmの周回コースを周るクリテリウム方式の観戦型レース。
大会の開催にあたって精力的に動かれた地域密着型の新チーム「VC福岡」代表の日隈氏の言葉を借りれば、「目指せジャパンカップ」、「目指せ宇都宮ブリッツェン」ということで、宇都宮市や宇都宮ブリッツェンチーム関係者がこれまで撒いてきた小さな種が全国へ徐々に広がっていき、そして少しづつ芽が出始めていることを実感します。
本日のレース会場には、小さなお子さんを連れた観戦目的の方々も多く訪れ、午後の「プロクリテリウム」開催時には、かなりのギャラリーで賑わいをみせていました。
全国各地に地域密着型チームが生まれ、各チームが1年に1回地元で招待制の大きなプロレースを開催すれば、それだけで質の高い地域対抗のレースシリーズが生まれます。
チーム力や地域貢献度、選手の育成能力を競うのはもちろん、開催するレースの質も競い合うようになれば、恐らく10年ほどの期間で全体がかなりの成長をみせる可能性があります。
先日行われた、蓮舫さん?らのJKA事業仕分けの影響で、現在国内に存在している多くのUCIレースが存続の危機に立たされていると言います。
それは、国内レースの多くが補助金に頼った大会であるという事実が影響しており、すぐにレースがなくならないまでも、今後、縮小方向に向かうのは避けられない流れの様です。
企業お抱えの実業団チームもすぐには減らないまでも、これからの世の中、わざわざ実業団チームを社内に持とうとする企業は殆どないでしょう。
福利厚生型の実業団チームの未来は暗く、補助金に頼った大きなレース開催も縮小傾向にある…
もはや、向かうべき未来の方向は明らかな気がします。
これからのチームというのは、選手強化やレースに勝つという「出口意識」だけにとらわれるのではなく、自分たちでレースを開催し、更に未来の選手を発掘、育成するという考えを持たなくてはいけません。
良いレースを開催することは、良いチームや良い選手を育てるよりも更に難しいはずです。
忘れてはいけないことがあります、それは、選手というのはレースがなくなればその存在自体が消滅するという悲しい事実です。
日本にレースがなくなったら、レースの盛んな国に行けば良いという「イナゴ的発想」もありますが、競技人口が10,000人になったとして、毎年10,000人を海外に派遣できるはずがありません。
海外で通年活動できる選手数といのは、将来に渡って増えることはなく(例えばある年にフランスのアマチュアレースへ2,000人の日本人選手が渡ったとするならば間違いなくフランス車連は外国人締め出しルールを強化するでしょう)、そこだけに頼るのはあまりにも近視眼的過ぎます。
これまでの日本は、国内のレースを大切に育てるという努力を怠ってきました。
今すぐにでも「新しい流れ」を創らなければ、近い将来、現状の一部は崩壊をはじめるでしょう。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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