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今年も白熱した「ツール・ド・フランス」が閉幕しました!
逆境に立たされたアルベルト・コンタドールが3回目の総合優勝を手にし、そのライバルとして大きな成長をみせたアンディ・シュレクが僅差の総合2位に。
日本の新城選手はジロに続いてツールも余裕で完走を果たし、本場が認める「一流プロ」の地位を得た感があります。
一方で、ランス・アームストロングが今年限りでツールから身を引く事を明言し、ランスと同世代でフランスのロード界を長きに渡って引っ張ってきたクリストフ・モローも引退を表明。
「世代交代」という言葉はここ数年ずっと使われてきましたが、ある意味でその言葉が最も当てはまる「ツール」が今年だったのかもしれれません。
今年のコンタドールを見て感じたのは、いよいよ「王者」の領域に入ってきたのかな?ということ。
ツール5連覇のミゲル・インデュラインや、同じく7連覇のランス・アームストロングも、全盛期がはじまると「アンチチャンピオン」的な風潮が強まり、その逆境のなかにあって更に精神的な強さを増し、ライバルたちとの距離を広げていきました。
今のコンタドールには、その「サイクル」に立った気配を感じます。
ちなみに、ミゲル・インデュラインのツール5連覇や、ランス・アームストロングのツール7連覇がはじまったのは、彼らが27歳の時で、一方、コンタドールは現在同じく27歳で既にツール3勝を挙げています。
ツールには「5勝クラブ」という言葉があって、アームストロングが7連覇を達成するまでは5勝というのが最多勝利数であり、偉大なチャンピオン達がその数字で肩を並べていました。
このまま順調に行けば、コンタドールが「5勝クラブ」入りする可能性は低くない気がします。
現在、ツールでコンタドールを倒す可能性が最も高い選手は、アンディ・シュレクだと言われています。
しかし彼もまた、気付かぬうちに、これまでツールの歴史が作り上げてきた「エターナル・セカンド」の「サイクル」に片足を突っ込み始めているのかもしれません。
新時代を築くであろう偉大なチャンピオン達は、これからどんなストーリーを我々ファンに魅せてくれるのか、今からワクワクしてきます。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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