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サイクル ロードレース コラム 2010年2月22日

ブリッツェン事務所

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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[煩雑な事務作業などを効率よく処理してくださっている藤井さん]

地域密着型チームの「宇都宮ブリッツェン」は、「サイクルスポーツマネージメント株式会社」という法人が運営を行っています。

通常の実業団チームというのは、企業内に存在しているある部署の「福利厚生活動」もしくは「クラブ活動」などに分類されていることが多いので、チームを運営する上での業務内容というのは、あくまでチームの活動に関わる部分での作業で済むことが大半です。

ですから、会社を運営する知識などがなくても特に問題はなく、既に存在している企業内のシステム上で「支出」のみの経理処理を行っていけばチームはまわしていけます(もちろん予算組みは必要です)。

しかし、独立型チームというのは、チーム自体が一企業となって運営されているので、基本的な会社運営の知識や、それに関わる各種法律なども最低限は把握しておかなければチームはまわせません。

また、実業団チームの殆どが「お金を使う」という行為しかしていないのに対して、独立型チームは「お金を使う」+「お金を集める」という作業が必要になります。

ある実業団チームが年間に5000万円を使っているとします。一方、ある独立型チームは年間4000万円の予算で活動を切り盛りし、3000万円をスポンサーや物販、イベント開催などで集めたとします。

前者の実業団チームは、チームとしての収益はゼロですから、チーム単体でみると単純に年間で5000万円の赤字を出していることになります。これに対して、独立型チームは1000万円の赤字で1シーズンを終えたということになります。

一チームの活動でみた場合、赤字額を1000万円に抑えた独立型プロチームが優秀なのは明らかですが、実際には、実業団チームの赤字5000万円という額は、親企業の黒字額がそれ以上にあって、企業全体でみれば赤字が出ていないという観点で処理されてしまいます。

この事から分かるのは、チームという枠でみた場合、実業団チームが赤字運営が基本であるのに対して、独立型チームというのは、チームの収支を最低でもトントンにしないとまわしていけなくなるということです。

当たり前といえば当たり前なのですが、改めて現状を説明するとこの様な構造となっています。

ちなみに海外のプロチームというのは、その殆どが運営法人による管理となっていますので、独立型チームという括りになり、年間の収支で赤字を続けて残すことは許されません。

宇都宮ブリッツェンを運営する「サイクルスポーツマネージメント株式会社」の当面のというか、永遠でもある使命の一つに、チームの活動自体が「赤字にならない様にする」という基本的な義務があります。

赤字にならない様にするためには、まずは「たくさんお金を集める」という事が最初に思い浮かびますが、それと同時に「支出を減らすこと」ができれば、結果的にお金を集めたのと同じ効果となります。

現在、チームを支援して下さっている「入江産業グループ」様から、 業務補助として夕方以降に藤井さんという方がお手伝いに来て下さっています。

チーム(会社)を運営するには膨大な事務作業が発生し、これを全てこなすにはそれなりの人手(=お金)が必要になるのは言うまでもありません。

現状、運営会社の社員である、柿沼コーチと廣瀬キャプテンが中心となってこの様な作業をこなさなくてはなりませんが、彼らは社員であると同時に選手でもあるので、一日の全てをデスクワークに費やすわけにはいきません。

ですので、藤井さんの存在というは、チームにとって非常に大きな財産となっています。

宇都宮ブリッツェンには、藤井さん以外にも多くの支援者の方々が存在し、皆さんの情熱と実務で前に進んでいる現実があります。

全ての方々をご紹介していきたい気持ちがありますが、一度にはとてもご紹介できないので、またこのブログのなかででも触れていければと思います。

魅力、情熱、実績、実務、そして、シビアではありますが、法人の黒字化。

遣り甲斐はいくらでもあります。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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