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[宇都宮の大地を走り自らの肉体を鍛え上げる選手たち]
2月14日から今期2回目となるチームキャンプがはじまっています。
本日は気温1~3度のなか約5時間のトレーニングを行い、いくつかのキツイメニューも取り入れました。
後半は雪がチラつくなか、選手たちは強い心を持って、この時期は決して易しくない宇都宮の大地と対話しながら己の体をいじめていたと思います。
私も、メニュー内容の関係で本日はバイクで帯同し、寒風のなか選手たちと同じ空気を感じてきました。
彼らと共に二輪で走り、改めて感じたことは、普段明るく振舞っている選手たちですが、この気候のなかでこれだけのトレーニングをこなすこと自体、とても忍耐がいるという事実でした。
「ロードレースとは自然との闘い」とよく表現されます。
基本的には、雨が降っても雪が降ってもレースは開催されます。
「自転車選手の仕事とは痛みに打ち勝つことだ」、「痛みは美しい」、これはヨーロッパの監督たちがよく口にする表現です。
今日の選手たちを見ていると、まさにそんな言葉がピッタリくるなと思いました。

[多くの支援者の方々が選手の心と体を作り上げていきます]
練習が終わると、若い選手たちは支援者の方に無償でお借りしている寮に戻って自活をはじめます。
寮と言っても、普通の住宅地にある一軒家です。
彼らは宇都宮の住宅地のルールの中に生き、そしてご近所の方々にも応援して頂きながら日常を過ごしているのです。
まだ、決して大きな資本を獲得しているチームではありませんが、目に見えない部分で多くの愛情に包まれています。
選手たちのために、いつも食料を差し入れして下さる「樋口屋本店」さんは、選手たちの肉体形成の重要な部分をサポートしてくださっていると言えます。
本日、樋口さんのご親族にご不幸があり、そのお通夜にチーム関係者が参列しました。
私はそのなかで、故人様のご冥福をお祈りするとともに、改めてこのチームが宇都宮という街に根付き、そして、スポーツを超越した意味でこの街に育てられているんだな、と実感することができました。
自転車レースは自然との闘い…
選手たちは宇都宮の自然と対話しながら戦い、そして宇都宮の地に愛されながら育てられています。
我々は、宇都宮の誇りを胸に戦わなければなりません。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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