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サイクル ロードレース コラム 2025年1月18日

ヨーロッパ屈指のリゾート地コスタブランカでファンアールトが大会2連覇を狙う【シクロクロス2024/25 WC第10戦 ベニドルム:プレビュー】

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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シクロクロス

今週末はスペイン・地中海岸の町ベニドルム開催!

陽光、半袖、乾いた砂。数々のUCIシクロクロス・ワールドカップ大会の中でも、一風変わった雰囲気を湛える一戦。1月19日(日)、熾烈なスピードレースが、地中海岸の町ベニドルムの、のどかな歓声の中で繰り広げられる。

北の大地の、その重たい泥や冷たい風を一旦離れて、スペインのコスタ・ブランカ(白い海岸)へ。真冬でも晴天と温暖な気候に恵まれるこの地は、数多くのロードレースチームがシーズン開幕前合宿に訪れることでも知られる。だからこそ1年前のベニドルム大会には、トム・ピドコック(イギリス)を応援しようと、なんと当時のチームメイトであるミハウ・クフィアトコフスキーが駆けつけた!

ワウト・ファンアールト(ベルギー)もまた、1月5日の第9戦デンデルモンデを制した直後から、ほんの10kmほどの隣町でヴィスマ・リースアバイクの仲間たちとトレーニングに励んできた。「これほど調子が良くて驚いている」と本人が口にするほど、ベニドルム大会2連覇に向け、どうやら仕上がりは上々だ。

ご存知、昨シーズンをほぼ無敵で突っ走ったマチュー・ファンデルプール(オランダ)に唯一の黒星をつけたのが、ベニドルムでのワウトだった(そもそもマチューは予定通り今戦をスキップし──年末の負傷からは順調に回復しているとのこと──、やはりスペインでロードトレーニングの真っ最中らしい)。つまり2025年に入ってから2戦2勝とただでさえ好調のワウトが、さらに走り込んだ脚で、得意のコースを勝ち取ってしまうのかもしれない。

ところで今回のベニドルム大会は、真新しいナショナルチャンピオンジャージお披露目の場となるはずだった。ただしベルギー選手権エリート部門で嬉しい初優勝を果たしたティボー・ネイスは、11月に獲得したヨーロッパチャンピオンジャージを優先させねばならないし、オランダのエリート新チャンピオンのティボール・デルグロッソ21歳は、今大会はエリートではなく、U23部門を走る方を選んだ。

幸いなのはスペインの星フェリペ・オルツが、7年連続7枚目のナショナルチャンピオンジャージを肩に、母国でのワールドカップに臨むこと。しかも今季スペイン人として初めてヨーロッパ選手権表彰台に上がり(2位)、ワールドカップでも初めての表彰台(しかも2回)を果たした29歳には、地元ファンの目の前でさらなる快挙が期待される。

もちろん今大会を含めシーズンも残り3戦となり、ワールドカップ総合争いも大詰め。総合首位マイケル・ファントゥレンハウト(ベルギー)を、2位トゥーン・アールツ(ベルギー)は24ポイント差で追いかける。日本からは織田聖と梶鉄騎が、初めてベニドルムの砂に挑む。

そう、直角が待ち受ける砂地セクターは、今年もきっとふかふかなのだろう。コスタ・ブランカに強風・高波注意報が出されていることが少々心配ではあるけれど、ベニドルム大会の週末、3年連続で晴れの予報だ。

サンド前後にはヘアピンカーブが多発し、ブリッジと階段もそれぞれ2つずつ。テクニカルな要素が申し分なく散りばめられている一方で、周回中盤では、長く真っ直ぐな舗装路がスピードレースを演出する。ただし……たとえ舗装路でも、たとえ乾いていようとも、うっすらと土に覆われたコーナーが、ひどく滑りやすいことも忘れてはならない。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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