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サイクル ロードレース コラム
【Cycle*2024 パリ〜ルーベ:プレビュー】あまりにも厳しくあまりに特殊な北の地獄から、先頭で生還する豪傑は誰だ!?
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ミランは今大会区間3勝目、通算区間4勝
獲得標高150m、完全フラットな移動ステージはリッチョーネからチェントまで179km、海沿いから内陸へと入っていく。オフィシャルスタートが切られるとアンドレア・ピエトロボン(ポルティ・コメタ)、マヌエーレ・トロッツィ、アレッサンドロ・トネッリ(ともにVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)と、プロチームのイタリア人3人が困難なチャレンジを挑んでいく。メイン集団はスーダル・クイックステップ、リドル・トレック、アルペシン・ドゥクーニンクの牽引で1分半程度のタイム差で追いかける。
ふたつの中間スプリントポイントはピエトロボンが、インテルジロはトロッツィが先頭通過。残り距離62.2kmでコーナーを曲がるとメイン集団はマグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアーズ)が先頭でペースアップ、集団は縦に伸び30人程度の後ろで分断された。フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)らが猛烈に加速していく。
後続に取り残されたのはマリア・チクラミーノ着用ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)、マリア・アッズーラ着用シモン・ゲシュケ(コフィディス)、フェルナンド・ガビリア、ナイロ・キンタナ(モビスター)、ローレンス・ピシー(グルパマ・FDJ)、ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)、ボトルを運んでいる最中だったヴァランタン・パレパントル(デカトロン・AG2Rラモンディアル)など。総合上位勢は難を逃れたものの、リドル・トレックは一刻も早く挽回しなければならない。
悪夢のような全力疾走は20km続き、街中に入ったところで追いつくことができた。集団が落ち着きを取り戻した残り距離31kmでマルティン・マルチェルージ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)とドリース・デポーテル(アンテルマルシェ・ワンティ)が飛び出す、この試みはスプリント態勢に入ったメイン集団にラスト10kmを切ったところで飲み込まれた。
スーダル・クイックステップが先頭で集団を牽引、リドル・トレックが主導権を取り返しバーレーン・ヴィクトリアスのラインも姿をあらわす。直角コーナーをリドル・トレックが先頭でこなしフラムルージュ、ガビリアが早駆けるもミランが力で圧倒し今大会区間3勝目、鮮やかなスプリントトレインを見せつけた。
「チームが素晴らしい仕事をしてくれた、自分を完璧な位置まで運んでくれた、チームのみんなを誇りに思う」ミラン、ステージ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第13ステージ|Cycle*2024
ステージ順位
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)in 4h 02' 03''
2 スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド/コフィディス),,
3 フィル・バウハウス(ドイツ/バーレーン・ヴィクトリアス),,
4 ティム・ファンダイケ(オランダ/ヴィスマ・リースアバイク),,
5 ユーゴ・オフステテール(フランス/イスラエル・プレミアテック),,
6 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/モビスター),,
7 フアン・モラノ(コロンビア/UAEチームエミレーツ),,
8 ローレンス・ピシー(ニュージーランド/グルパマ・FDJ),,
9 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア/ポルティ・コメタ),,
10 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア/チューダープロサイクリングチーム),,
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 49h 24' 38''
2 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 40''
3 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 02' 56''
4 ベン・オコーナー(オーストラリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 03' 39''
5 アントニオ・ティベーリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 27''
6 ロマン・バルデ(フランス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 04' 57''
7 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア/アスタナカザクスタン)+ 05' 19''
8 フィリッポ・ザナ(イタリア/ジェイコ・アルウラー)+ 05' 23''
9 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター)+ 05' 28''
10 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 52''
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)284 Pts
2 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)174 Pts
3 ティム・メルリール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)93 Pts
山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)104 Pts
2 シモン・ゲシュケ(ドイツ/コフィディス)59 Pts
3 ヴァランタン・パレパントル(フランス/デカトロン・AG2Rラモンディアル)55 Pts
ヤングライダー賞
1 アントニオ・ティベーリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)in 49h 29' 05''
2 フィリッポ・ザナ(イタリア/ジェイコ・アルウラー)+ 00' 56''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 25''
チーム総合順位
1 デカトロン・AG2Rラモンディアル(フランス)in 148h 27' 57''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 02' 13''
3 ボーラ・ハンスグローエ (ドイツ)+ 20' 31''
コースマップ
5月18日(土) 第14ステージ
カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエレ > デゼンツァーノ・デル・ガルダ
31.2 km(個人タイムトライアル ★★★☆☆/獲得標高 150 m)
今大会2度目にして最後の「真実」のステージ
勝負地イタリアンアルプスに足を踏み入れる前日の、2024年ジロ2度目にして最後の「真実」のステージ。大会の3分の2を走り終えた選手たちのコンディションを、ストップウォッチが正確に計測する。イタリア最大の湖ガルダ湖のほとりで、マリア・ローザ候補者たちのヒエラルキーは、さらにはっきりと浮かび上がるはずだ。
第7ステージは登坂TTだったが、スティリオーネ・デッレ・スティヴィエレから走り出す今ステージは、ほぼ完全なる平坦路。全長31.2kmで獲得標高はわずか150mに過ぎず、最終盤はむしろ微妙な下り基調が延々と続く。またスタート直後には細かいカーブが、中盤にも直角の連続が待ち受けているものの、ラスト10kmに難解なカーブはほぼほぼ存在しない。例外はデゼンツァーノ・デル・ガルダのフィニッシュ手前300mの、直角コーナー2連続。
いわゆるピュアスペシャリストたちが、目覚ましいスピードでかっ飛ばす姿が見られそうだ。開催委員会の計算によれば優勝タイムは35分以内で、時速55km近くを叩き出すだろうと予測されている。途中7.8km地点と23.2km地点に、2か所の中間計測ポイントあり。
つまりピュアクライマーたちは、最小限に被害を食い止めねばならない。幸いなのは例年の傾向──最終日か最終日前日に個人TT──とは異なり、これから本物の山が始まること。失われた時間を取り戻すチャンスは、何度もやって来る。
コースプロフィール
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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