人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2024年4月18日

【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:レビュー】悪天候で脱落する選手が続出するなかスティーブン・ウィリアムズが英国人初の勝者に

サイクルロードレースレポート by 山口 和幸
  • Line
フレーシュ・ワロンヌ

これぞユイの壁

先行集団ではカルメジャーヌ、ミーンス、フアリスティが意地を見せたが、ついには集団に飲み込まれる。2度目のミュール・ド・ユイでは、前年の覇者タデイ・ポガチャルの欠場によってナンバーカード1番をつけた大本命マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が脱落。さらにアムステルゴールドレースを制したイネオス・グレナディアーズのトム・ピドコック(英国)、リドル・トレックのマティアス・スケルモース(デンマーク)まで遅れた。

レースは残り46kmの時点でおよそ30選手しか残っていなかった。ここからはバーレーン・ヴィクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)、EFエデュケーション・イージーポストのリチャル・カラパス(エクアドル)らがアタックを見せるが、残り15kmで最後まで抵抗を見せていたアルペシン・ドゥクーニンクのセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)が集団に追いつかれ、勝負は4回目の最終ゴールへ。31選手が心臓の飛び出そうなほどの最大心拍数で激坂に挑んだ。

「道路にちょっとした障害物があって、みんながそこでスローダウンした。残り300m
という看板を確認し、走行ラインを見てここでアタックすれば集団に5秒から10秒はつけられると思った」とウィリアムズ。

「勝利のチャンスが与えられたんだ。脚はわずかに余裕があったので少し様子を見ていたが、後ろが迫ってきていたので、粘った」

フレーシュ・ワロンヌ

観客は4回も観戦できる

わずかに抜け出したウィリアムズは、最大のパワーでペダルを踏み続けると同時に追走する選手らとの距離を確認し、フィニッシュラインまで逃げ切った。失速ギリギリ、精魂使い果たしたかの表情で、わずかにウイニングポーズを取ったものの体力の限界で余裕はなかった。

「勝てて本当にうれしいけど、疲れた。言葉を失ってしまうほど本当に感慨深い。自転車レースは本当に難しいスポーツで、特にこれほどのクラシックレースで勝つのは難しい。フレーシュ・ワロンヌで英国人初の勝者になれたんだから素晴らしいと思う。実は何年もこのレースを観戦していた。だからこのレースの格式と威信を知っている。アルデンヌに来てフレーシュ・ワロンヌに勝つことは本当に特別なことだ」とウィリアムズ。

文:山口和幸

代替画像

山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ