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サイクル ロードレース コラム 2024年4月16日

【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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フレーシュ・ワロンヌ

UAEチームエミレーツはポガチャル以外の強力メンバーで挑む

2020年に初出場であっさりユイを攻略してしまったマルク・ヒルシも、かつてのセンセーショナルなほどの好調さを取り戻しつつある。日曜日のアムステルゴールドレースは4人での小スプリントで2位に泣いたが、水曜日は笑顔で終えられるか。そもそもポガチャル抜きでも、今大会のUAEチームエミレーツはとてつもなく強力だ。フアン・アユソにブランドン・マクナルティ、フィン・フィッシャーブラックという今シーズン絶好調の選手を大量に引き連れて大会入りするし、ジロ・デレミーリャ自慢の「壁」サン・ルーカで2度2位に食い込んだジョアン・アルメイダや、登りフィニッシュには相変わらず強いベテランのディエゴ・ウリッシも控えている。

2度の表彰台経験を経て、今年のアムステルゴールドレースでついに英国人初の勝者となったトム・ピドコックだが、フレーシュ・ワロンヌは3度走って6位が最高順位。英国人初のユイ王者への扉を、こじ開けることはできるだろうか。昨大会2位マティアス・スケルモースや、2年前初出場3位のアレクサンドル・ウラソフも、間違いなく優勝候補の一角に挙げられる。

東京五輪覇者リチャル・カラパスの、凄まじい爆発力と一瞬を突くセンスは、誰にとっても脅威でしかない。ストラーデ・ビアンケ表彰台で高き才能を証明したマキシム・ファンヒルスは、故障や病気続きのロット・デスティニーに明るい話題をもたらしたいと誓っている。

4年前2位のブノワ・コスヌフロワは、「ユイは僕にはきつすぎる」とは言いながらも、ブラバンツ・ペイル制覇の勢いで激坂制覇を夢見る。パリ〜ニースは失意に終わったが、4月13日のツール・デュ・ジュラを勝ち取り、ダヴィド・ゴデュもどうやら本調子を取り戻した。21歳の若きロマン・グレゴワールの、ユイ登り初挑戦も大いに注目すべし。

我らが新城幸也も、今大会おそらく最年長39歳ライダーとして、7年ぶりのフレーシュ・ワロンヌ参戦。前戦アムステルゴールドレースで大いにレースを活気づけたペリョ・ビルバオや、昨リエージュ3位サンティアゴ・ブイトラゴのために、長い経験で培ったノウハウを惜しみなく発揮してくれるに違いない。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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