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サイクル ロードレース コラム 2024年2月29日

【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ ドンネ:プレビュー】コペッキー&フォレリングのチームメート対決の再現は!? ウィメンズプロトンの構図がはっきりと示される“白い道”

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ストラーデ・ビアンケ ドンネ

トスカーナ地方の白い道を走るストラーデ・ビアンケ ドンネ

2015年に初開催され、今年がちょうど第10回。イタリア・トスカーナ地方の“ストラーデ・ビアンケ(白い道)”を舞台に、トップライダーがしのぎを削る。

白い道は未舗装で、土ぼこりを浴びながら砂利道を突き進んでいく。それでいて急勾配の上りと下りをこなしていくから、走力だけでなくパワーやハンドルさばきもコース攻略には必要な要素。このレースにおいて男女ともに言えることは、そのときどきのプロトンの構図が明確に表れるというもの。意外な選手が急浮上したり、予想を大きく覆すようなジャイアントキリングが起こることはほとんどない。チーム戦を超え、個々の力勝負が見られるのである。

写真判定に15分も時間を要した前回大会

写真判定に15分も時間を要した前回大会

前回大会は、デミ・フォレリングとロッテ・コペッキーのチームSDワークス勢が仲間同士で一騎打ち。チームの、さらにはウィメンズプロトンのスーパーエースである2人だ。どんな幕切れが待っているのかと思いきや、まさかまさか本気の優勝争い。最後はハンドル投げでフィニッシュし、15分も写真判定に時間を要した末にフォレリングの優勝が確定したのだった。

両者の活躍ぶりは、レースを追っている方々ならご存じだろう。コペッキーはクラシックのタイトルを欲しいままにし、世界選手権でも優勝。フォレリングはステージレースを席巻し、ついにはツール・ド・フランス ファムの女王を戴冠した。

その2人が今年もストラーデ・ビアンケ ドンネのスタートラインに並ぶ。ともに2月に入ってシーズンインし、早速状態の良さをアピールしている。やはりこのレースに調子を合わせてくるだろうから、プロトン全体を見ても力が一段も二段も抜けていると見て良いだろう。彼女たちにとどまらず、ヨーロッパ女王のミーシャ・ブレーデウォルツやエース格のニアム・フィッシャーブラックもメンバー入りするから、チームSDワークスそのものの戦力が群を抜いている。

隙がないように思えるフォレリングとコペッキーだけど、実は今季、彼女たちに土をつけた選手が存在する。“クイーン・オブ・クイーン”マリアンヌ・フォス(ヴィスマ・リースアバイク)だ。先のオンループ・ヘット・ニュースブラッドで、コペッキーらに先着し優勝。ベテランまだまだ健在、である。ストラーデ・ビアンケ ドンネの最高成績は2020年の6位。表彰台経験こそないが、悪路の強さを考えれば当然今回も上位戦線に入ってくるだろう。

トップライダーがしのぎを削る

トップライダーがしのぎを削る

グランツールでも活躍するカタジナ・ニエウィアドマ(キャニオン・スラムレーシング)やアシュリー・モールマン(AGインシュランス・スーダル)も順当にいけば、当然前線でレースを展開する。マビ・ガルシア(リヴ・アルウラージェイコ)やファイファー・ジョルジ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)といったおなじみの顔もどのように展開するか見もの。

チームSDワークスに負けず劣らずの戦力を整えるリドル・トレックは、絶対エースのエリーザ・ロンゴボルギーニとシリン・ファンアンローイに、エリザベス・ダイグナン、アマンダ・スプラットのベテランが脇を固める。

出走は全部で24チーム。ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディのメンバーには、與那嶺恵理の名も記されている。

好メンバーがそろうレースは、例年通りシエナを発着とするルート。全行程137kmで、グラベルセクション(未舗装区間)は40.4km。コースの約3分の1をグラベルが占める。

常にうねりのあるレイアウトで慌ただしい。スタート後14.1kmで1つ目のグラベルセクションに入り、そこからは舗装と未舗装が断続的に繰り返される。コース中盤、セクション5のサン・マルティーノは9.5kmに及んで未舗装で、進むにつれて勾配が厳しくなる。その後のセクションでは15%前後の急坂も待ち受けている。

最終の第12セクションからシエナ・カンポ広場のフィニッシュラインまでは約12km。カンポ広場へ続く最終局面は急坂で、最後の500mは平均勾配12%・最大勾配16%。とにかくこの区間を上り切らないことにはレースが終わらない。最後の最後まで気を抜くことはできないのだ。

ちなみに215kmで争われる男子レースとの違いとしては、コース中盤と後半でそれぞれ部分的にショートカットするくらいで、ルートの大部分は共通となっている。そして、男子よりひと足先に、勝者が決定する。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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