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【Cycle*2024 パリ〜ルーベ:プレビュー】あまりにも厳しくあまりに特殊な北の地獄から、先頭で生還する豪傑は誰だ!?
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【Cycle*2024 ツアー・ダウンアンダー:プレビュー】アラフィリップが10年ぶりにオーストラリアでシーズン開幕!大会史上、最もタフな週末
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか南半球でシーズン開幕!
大会史上、最もタフな週末。こんな刺激的な宣伝文句とともに、2024年ツアー・ダウンアンダーは走り出す。ついに幕を開ける2024ロードレースシーズンが、暑い南半球で、一気にヒートアップする。
南オーストラリア州のアデレードを起点に争われるダウンアンダーは、コロナ禍による2年間の空白を経て、昨年1月、新しい時代を迎えた。過去2度の総合優勝を果たしたスチュワート・オグレイディが、大会委員長として初めての陣頭指揮を取ったからでもある。なにより新たな難所がお披露目された。それがマウント・ロフティであり、全長1.3km、平均勾配7.3%、最大13.3%の急坂は、2023年大会最終日に秒単位の総合&区間バトルを見事に演出してくれた。
今年、進化は第2形態へ。この第24回大会では、新名物ロフティに加えて、伝統のウィランガ・ヒルも待望の復活も果たす。
全長3km、平均勾配7.4%、最大15.6%のウィランガ・ヒルは、言うなればリッチー・ポートの山だった。2012年に初めて使用されて以来、登場全9回のうち、実に6回も同元選手の手に落ちた。一方この山の覇者と大会総合勝者の名前が一致するのは、2017年大会ただ一度だけと、少々いわくつきの場所だったりもする。ポートが人生2度目のダウンアンダー総合優勝を手にした2020年大会さえ、伏兵マシュー・ホームズにフィニッシュ直前するりと抜かれ、7度目のステージ優勝を逃してしまった……。
全6ステージで争われる2024年大会に、1級山頂フィニッシュが2つ組み込まれた。しかも、それぞれの山は、2回ずつ上る。つまり5日目にはウィランガ・ヒル×2、最終日にはマウント・ロフティ×2。なるほど、最後の「週末」に、タフさがぎゅっと凝縮されている。
南オーストラリアに広がる荒野の色、オークルカラーの総合リーダージャージを巡る争いは、最後の2日間を楽しみに待つとして、開幕からの4日間は、スプリンターや逃げ屋にも活躍の場がたっぷり与えられる。もちろん初日はワインの名産地バロッサ・ヴァレーを駆け巡り、4日目は海水浴客でにぎわうポート・エリオットでフィニッシュと、真夏の光に照らされた美しい風景も堪能したい。
アデレード近郊で繰り広げられるステージレース
シーズン一発目のレースだからこそ、新ジャージのチェックもお忘れなく。たとえば昨大会のマウント・ロフティ勝者で、今大会総合本命にあげられるサイモン・イェーツは、所属は変わらずジェイコ・アルウラーながら、ジャージの色は白&水色から青&赤に変わった。
バーレーン・ヴィクトリアスは赤→白、dsmは黒&水色→水色&オレンジ&白と、やはり大胆なイメージチェンジをはかっている。旧ユンボ・ヴィスマはヴィスマ・リースアバイクと名前を変えても、ジャージは黄色のままで、旧Ag2rシトロエンはデカトロン・Ag2rラモンディアルと名称を変更すると同時に、イメージカラーはかつての水色に戻した。
あの選手の移籍先も、しっかりと確認しておきたい。年初にオーストラリア選手権でロード&TTのダブル制覇を果たしたルーク・プラップは、ジェイコの新生メンバーとして、イェーツとクリス・ハーパーと総合トリプルエースを張る。昨季は苦しんだカレブ・ユアンも、ジェイコという古巣に戻り、過去ステージ10勝を叩き出した得意のレースで再生を期す。
プラップやハーパー、さらにユアンと、オージーチームのオージーたちがひときわモチベーション高く臨むのは当然のこと。ジャック・ヘイグや、豪州代表メンバーとして参加するマイケル・ストーラーもまた、母国での好成績を誓う。海をまたいで隣のニュージーランドからは、UAEからイスラエルのジャージに着替えたジョージ・ベネット、さらにはフィン・フィッシャーブラックが総合候補として乗り込む。
フィリッポ・ガンナ、ジョシュア・ターリング、エリア・ヴィヴィアーニと、イネオス・グレナディアースも豪華メンバーをそろえた。ジュリアン・アラフィリップは、なんと10年ぶりに、ダウンアンダーでシーズンを始める。
そして、2024年ダウンアンダーを絶対に見逃したくない大切な理由のひとつ……それこそが昨季のツール・ド・ラヴニール総合覇者イサク・デルトロ20歳とU23版ジロ総合王者ヨハネス・スターンミッテ21歳にとっての、記念すべきワールドツアーデビュー戦ということ!
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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