人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
【シクロクロス2023 WC第10戦 ガーフェレ:プレビュー】伝統の「セカンド・クリスマス・デー」シクロクロスもビッグスリーがそろい踏み
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2023年シクロクロス世界選手権で5度目の優勝を飾ったマチュー・ファンデルプール
ビッグ・スリーの直接対決、第2弾!アントワープの砂地獄は、マチュー・ファンデルプールの「ビック・ワン」状態で幕を閉じた。続くUCIシクロクロスワールドカップ第10戦ガーフェレ大会の、ハードなアップダウンコースでは、ワウト・ファンアールトとトム・ピドコックも逆襲を誓う!
伝統の「セカンド・クリスマス・デー」シクロクロス。深夜の厳粛なミサで祈りを捧げ、家族とのディナーで美味しいものをたっぷり頂いた翌日の、12月26日も、クリスマスは続く。そもそもオランダやベルギー・フランドル地方では、「クリスマス2日目(Tweede Kerstdag)」と呼ばれ、いずれも正式な祝日に指定されている。だからこそ英国のサッカーファンが、ボクシング・デーマッチを楽しむように、自転車ファンたちはボクシング・デーCXに酔いしれる。
実はクリスマス翌日の泥んこ大戦は、しばらくの間、ホイスデン・ゾルダーのコースで執り行われてきた。ただし40年以上の長い歴史を誇るガーフェレ大会が、昨季初めてワールドカップの1戦に加わると、同時に名誉あるボクシング・デーCXの開催を引き受けた。
つまり1年前の同じ日、まさに同じコースで、やはりビッグ・スリーの直接対決が実現している。あの日はファンアールトがスタートダッシュに失敗し、ファンデルプールがパンクに見舞われたものの、最終的には凄まじい三つ巴戦に発展した。追い越し追い越されギリギリの攻防を繰り広げた末に、とうとうファンデルプールがライバル2人を引き離すことに成功。「まるで世界選手権のような熱気(byワウト)」の中で、ファンアールトとピドコックが表彰台の両脇に並んだ。
そんな昨大会で勝負を分けたのは……そしてほぼ同じコースで行われる2023年大会でも重要な勝負地となるに違いないのは、まずはガーフェレ城を取り囲む森に引かれた長い長い上りセクション。
濡れた落ち葉と森の下土とが混ざり合った路面で、問題は、バイクを漕ぐべきか、担ぐべきか。「周回を重ねるごとにバイクが肩に重くのしかかった」と、ピドコックは時にサドルにまたがったまま突き進み、一方のワウトは自転車を担ぎ大股で駆け上がるほうを好み、肝心のマチューは臨機応変に、柔軟に、素早く乗ったり降りたりを使い分けた。
無料動画
【バニーホップとは?】辻啓のシクロクロス解説動画 第2弾
長い上りのあとには、ひどく難解な高速ダウンヒル。1年前はファンデルプールのクレイジーすぎる下りテクニックが炸裂したが、今年も恐ろしくスリリングな時間を味わえるだろう。下りきった底からの、激坂2連発も待っている。
それにしても今季シクロクロス3戦3勝、昨季から数えると6連勝中のファンデルプールに、果たして死角はあるのだろうか。
たしかに昨シーズンはワウトがマチューを6度退けて勝利をつかみ、ピドコックも2度、より上の成績に入っている。ただし第9戦の優勝インタビューで本人が述べたように、東京五輪マウンテンバイクでの落車で痛めた背中が完治し、この冬のファンデルプールは完全体を取り戻したのだ!
もちろん8位に終えたアントワープ大会では、実は体調不良でトレーニング不足だったことを告白したピドコックは、ここから再び本来の調子にあげていくはずだ。また過去3シーズン、どんなに悪くとも4位より下に落ちたことのない安定感抜群のファンアールトは、誰よりもよく知る「永遠の宿敵」のわずかな隙を必ずやついてくる。
ちなみにボクシング・デーという名称の起源は、使用人や恵まれない人にプレゼント・ボックスが分け与えられた日……と言われているけれど、ことシクロクロスにおいては、クリスマスチャリティーの機会などではない。その逆だ。2015年以来、12月26日の勝利は、ただマチュー(5回)とワウト(2回)だけで独占している。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
11月11日 午後7:00〜
-
Cycle*2024 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
9月29日 午後5:25〜
-
10月12日 午後9:00〜
-
Cycle* J:COM presents 2024 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
11月2日 午後2:30〜
-
【先行】Cycle*2024 宇都宮ジャパンカップ サイクルロードレース
10月20日 午前8:55〜
-
【限定】Cycle* ツール・ド・フランス2025 ルートプレゼンテーション
10月29日 午後6:55〜
-
Cycle*2024 ブエルタ・ア・エスパーニャ 第17ステージ
9月4日 午後9:50〜
-
10月10日 午後9:15〜
J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!