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【ツール・ド・フランス2023 第9ステージ結果速報】マイケル・ウッズが伝説峠でツール区間初優勝、ポガチャルがヴィンゲゴーから8秒さらう
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部ツール区間初優勝マイケル・ウッズ
35年ぶりにツール・ド・フランスに登場するピュイ・ド・ドームへと至る182.4kmの山岳ステージ。ファーストアタックで飛び出したのはヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)、ピエール・ラトゥール(トタルエネルジー)、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)ら15人、メカトラでワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)が集団に戻り14人の先頭グループが形成され、ぱらぱらと追走が出るもチェックに入るチームも多く結局メイン集団に吸収されてしまった。
中間スプリントポイントはヨナス・グレゴー(ウノエックス・プロサイクリング チーム)が、山岳ポイントはマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ着用のパウレスが先頭通過。残り距離54kmから先頭グループが活性化、メイン集団とは12分30秒差まで広がりマッテオ・ヨルゲンソン(モビスター チーム)、マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)、グレゴー、マチュー・ビュルゴドー(トタルエネルジー)が仕掛け、すぐに追いつかれたがヨルゲンソンが再び抜け出し独走を開始。
マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ダビ・デラクルス(アスタナ・カザクスタン チーム)、パウレス、ビュルゴドーが追走グループからアタックしヨルゲンソンを追う、メイン集団は14分後方に位置する。
ヨルゲンソンは追走に1分の差をつけて超級ピュイ・ド・ドームの登坂を開始、最高潮に盛りあがる沿道エリアから山岳鉄道が並走する急勾配区間の無観客ゾーンに入ると、第3グループからアタックしたウッズが猛烈な勢いで上り、パウレス、ビュルゴドー、モホリッチを捕え、ラスト450mでヨルゲンソンも追い抜き、難峠でみごとツール区間初勝利。2位にはやはり第3グループから追いかけたラトゥールが入っている。果敢な走りを見せたヨルゲンソンは4位に沈んだがこの日の敢闘賞を獲得している。
メイン集団はセップ・クス、ヨナス・ヴィンゲゴー(ともにユンボ・ヴィスマ)、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、サイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー)、カルロス・ロドリゲス、トーマス・ピドコック(ともにイネオス・グレナディアーズ)の6人にまで絞れている、山頂手前1.5kmでポガチャルがアタック、ヴィンゲゴーだけがついていく。少し離れるもヴィンゲゴーは耐えダメージは8秒に抑えた。
「自分を誇りに思うし、チームを誇りに思う。ここで勝てたことは特別なことだ、ツールでステージ優勝することが僕の究極の目標だった、スペシャルな勝利だ」ウッズ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第9ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・プレミアテック)in 04h 19' 41''
2 ピエール・ラトゥール(フランス/トタルエネルジー)+ 00' 28''
3 マテイ・モホリッチ(スロベニア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 35''
4 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/モビスター チーム)+ 00' 36''
5 クレマン・ベルテ(フランス/AG2Rシトロエン)+ 00' 55''
6 ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 01' 23''
7 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・カザクスタン チーム)+ 01' 39''
8 ヨナス・グレゴー(デンマーク/ウノエックス・プロサイクリング チーム)+ 01' 58''
9 マチュー・ビュルゴドー(フランス/トタルエネルジー)+ 02' 16''
10 ダビ・デラクルス(スペイン/アスタナ・カザクスタン チーム)+ 02' 34''
・・・
13 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 08' 19''
14 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 08' 27''
個人総合順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 14h 37' 46''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 17''
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 40''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 22''
5 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 04' 39''
6 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 04' 44''
7 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 26''
8 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 06' 01''
9 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 06' 45''
10 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM・フィルメニッヒ)+ 06' 58''
ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)259 Pts
2 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)149 Pts
3 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)143 Pts
山岳賞
1 ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)46 Pts
2 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)28 Pts
3 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム)26 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 38h 38' 03''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 05''
3 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 09''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 116h 11' 17''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 00' 44''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 02' 07''
リタイア
87 クイン・シモンズ(アメリカ/リドル・トレック)
第10ステージコースマップ
7月11日(火)第10ステージ
ヴュルカニア > イソワール
167.2 km(丘陵)
休息日明けのステージは、開催委員会の分析によれば、ずばり逃げ向き。おそらくマイヨ・ジョーヌ争いは起こらない。ただし、起伏の多い地形と、休みボケのせいで、思いがけず失速してしまう総合エースはいるかもしれない。
中央山塊で過ごす2ステージ目は、まさに火山尽くし。休息日前日には休火山ピュイ・ド・ドームに上ったが、この日はヴュルカニアがスタート地に選ばれた。1991年雲仙岳噴火で命を落とした火山学者クラフト夫妻の原案を元に、2002年に開園した「ヨーロッパ火山公園」、いわゆる火山テーマパークである。そこからプロトンは80もの火山が連なる「ユネスコ世界遺産」ピュイ火山帯へ分け入り、さらには無数の火山湖が散らばるサンシー山地を駆け巡る。
スタートからいきなり3級山岳への登坂が始まる。下り終えたら、休む間もなく3級山岳へ。元気な逃げ屋たちが、無数のアタックを仕掛けるに違いない。60km地点に中間ポイントが挟み込まれているせいか……レース委員長は、強力な逃げグループが形成されるのは65km地点過ぎの2級クロワ・サン・ロベールだとも予言する。
その後も、行く手には、大小無数の起伏が繰り返し襲いかかる。残り28.6km地点で5つ目の山岳(3級シャペル・マルクス)を越えたら、ようやく上りからは開放されるものの、いまだ道はとてつもなく細く、うんざりするほど蛇行している。道幅の広い直線路が登場するのは、ようやく残り10kmを切ってから。
つまり典型的な中央山塊のコースであり、後方プロトンによるレース制御は極めて難しい。イソワールがツールの区間フィニッシュを受け入れるのは40年ぶりながら、2年前のクリテリウム・デュ・ドーフィネ第1ステージで、予行練習を済ませている。あの日は起伏にも関わらずスプリンターチームが猛烈な追い上げを試みる中で……高い独走力を披露したブレント・ファンムールが、力強く逃げ切り勝利をもぎ取っている。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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