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【ジロ・デ・イタリア2023 第18ステージ結果速報】イタリアチャンピオンジャージのフィリッポ・ザナがグランツール区間初優勝、ティボー・ピノは山岳賞首位を奪還
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部グランツール区間初優勝!フィリッポ・ザナ(チーム ジェイコ・アルウラー)
ドロミテ山塊3日連続山頂フィニッシュ初日は中級山岳の分類、161kmの間に5つの山岳を上る、山岳賞ポイントを重ねたいベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)は最初から全開でアタック合戦に参加し、新城幸也選手はジャック・ヘイグ(共にバーレーン・ヴィクトリアス)を逃げに乗せるために尽力する姿が見られた、そして逃げが形成されないまま28kmの平坦区間を終えて1級クロゼッタを上り始める。
オレリアン・パレパントル(AG2Rシトロエン)、ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)、マルコ・フリーゴ、デレク・ジー(共にイスラエル・プレミアテック)、フィリッポ・ザナ(チーム ジェイコ・アルウラー)の5人が少しタイムギャップをつけ、ワジム・プロンスキー(アスタナ・カザクスタン チーム)が単独で、ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック)がヘイグら5人のグループで追い始め、メイン集団は一定ペースで上り始め、逃げを容認した形となった。
先頭5人にプロンスキーとバルギルの2人だけが追いつき7人の先頭グループ、ピノが先頭で山頂を通過、メイン集団は1分後方に位置している。続く4級山岳もピノが先頭通過、長い平坦区間を終える頃にはタイム差が5分近くまで広がっていた。中間スプリントポイントはジーが先頭で、1級フォルチェッラ・チビアーナもピノが山頂先頭通過で暫定で山岳賞首位に返り咲き、ボーナスタイムポイントもピノが先頭で-3秒を手にしている。
2連続2級登坂に入るとピノはペースを上げ残り距離8.4kmでバルギルがついていけなくなり、斜度のある区間でジーも遅れ、ザナと2人で山頂を目指す。4分後方ではテイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ)の牽引からセップ・クスユンボ・ヴィスマ)に替わるとペースが一段上がり、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が遅れてしまった。
クス、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)、エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー)と4人のマリア・ローザグループで先へと進む、アルメイダはジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ)のサポートで15秒前後をつかず離れず追う。
残り距離5.7kmでログリッチがアタック、トーマスだけがついていく。ピノが山頂を先頭通過、クスがログリッチに追いつき再び牽引する。最終峠ゾルドでピノは突き放しにかかるもザナは後輪から離れない。そのまま2人でゴール前まで辿り着き、ラスト200mでピノがスプリントを開始、ザナも加速して横に並び少しだけ先にフィニッシュラインを越えた、グランツール区間初優勝。ピノはマリア・アッズーラを再び手に入れ、総合順位を13位から7位に上げている。
1分56秒後に共闘したログリッチとトーマスが同タイムゴール、アルメイダがその21秒後にフィニッシュ、11秒のタイム差だったアルメイダとログリッチの順位は逆転した。マリア・ローザはトーマスが19秒差で依然キープしている。
「夢の中にいるようだ、ジロに出ることもイタリアチャンピオンジャージを着ていることもWTのチームに移籍できたのも全てが夢のよう、2人になった時点で勝率は50%だと思った、後輪につくことを心がけた、あとは集中して勝利を掴みにいった」ザナ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第18ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 フィリッポ・ザナ(イタリア/チーム ジェイコ・アルウラー)in 04h 25' 12''
2 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ),,
3 ワレン・バルギル(フランス/チーム アルケア・サムシック)+ 00' 50''
4 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)+ 01' 03''
5 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエン)+ 01' 24''
6 マルコ・フリーゴ(イタリア/イスラエル・プレミアテック),,
7 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 56''
8 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
9 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 02' 17''
10 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 02' 32''
・・・
98 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 34' 57''
個人総合順位
1 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)in 04h 25' 51''
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 29''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 39''
4 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 03' 39''
5 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 03' 51''
6 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 04' 27''
7 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 04' 43''
8 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 04' 47''
9 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 53''
10 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 52''
・・・
123 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04h 27' 06''
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)215 Pts
2 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)140 Pts
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ)95 Pts
山岳賞
1 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)227 Pts
2 ベン・ヒーリー(アイルランド/EFエデュケーション・イージーポスト)164 Pts
3 ダヴィデ・バイス(イタリア/エオーロ・コメタ)144 Pts
ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 76h 26' 30''
2 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 04' 08''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 08''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 229h 00' 00''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 23' 25''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 33' 44''
リタイア
92 ルカ・コヴィリ(イタリア/グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)
122 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
第19ステージコースマップ
5月26日(金)第19ステージ
ロンガロネ > トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド
183 km(山岳 ★★★★★)
泣いても笑っても閉幕まであと3日。正真正銘2023年ジロ最難関ステージにして、総合勢にとっては、最後の直接的バトルの機会となる。長く果てしない上り、勾配の激しい山道、2000m超の高山、さらには凄まじい累積獲得標高……と、すべてをひっくり返すための条件は整っている。
10年ぶりに、山間の町ロンガロネに、ジロのプロトンが集結する。2013年大会はここから山を下り、最後にはM・カヴェンディッシュが両手を挙げた。一方の今年は、この町から、スプリンターにとって最後のグルペットデーが始まる。なにしろ平地らしい平地を堪能できるのは、スタートからほんの20km程度だけ。
それにしてもだらだらと長い上りは、70km近くも続くのだ。勾配こそ緩やかだが、2時間も上り続けねばならない。皮肉なことに、最終的にたどりつく2級カンポロンゴの正式な登坂距離は、たったの3.9kmでしかないというのに(平均勾配7%、最大11%)。
ここから恐るべき5峠連続登坂へと突入だ。しかもラスト100kmは、まるでのこぎりの歯のように、ひたすら上りと下りだけが繰り返される。続く1級ヴァルパローラ(14.1km、5.6%、12%)では標高2000mを超え、次の1級ジャウでは標高がさらに上がるだけでなく、勾配も大幅に上がる(9.9km、9.3%、14%)。
ところで2年前はこの標高2236mジャウ峠こそがチーマコッピ=最高標高地点で、下りきった先のコルティナ・ダンペッツォでフィニッシュを争った。しかし今ステージは、次回冬季五輪開催地を横目でチラリと眺めるだけで、またしてもすぐに2級トレ・クローチ(7.9km、7.2%、12%)の上りへ。さらには「3つの十字架」をいわば発射台代わりに、この日最後の「3つの頂」……3つの岩が天に向かってそびえ立つ、いわばドロミテのシンボルであり、ジロの古典、1級トレ・チーメ・ディ・ラヴァレドへ。
55年前にエディ・メルクスが区間とマリア・ローザを同時に手に入れ、2013年はV・ニバリがピンクジャージで真の王者としての証明を果たした伝統峠は、いきなり激勾配18%で手痛く選手たちを歓迎する。約1.4km続く平均10.6%ゾーンを抜け出したら、その後の約2kmは下り坂。これぞ7.2kmの山道全体の平均勾配が7.6%でしかない理由。……むしろ最終4kmは、平均11.2%というありえない数値!
今大会最多の累積獲得標高5400mをこなし、標高2304mの高みで、果たして誰が笑顔を見せているだろうか。ジロでこの山が使用された過去7度のうち6回が、このてっぺんでピンク色を着ていた選手こそが、最終的な総合覇者として君臨している。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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