人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2023年4月30日

【Cycle*2023 エシュボルン・フランクフルト:プレビュー】ドイツ自転車界春の祭典 新ルート採用でスプリンターvsクラシックハンターの構図がより鮮明に!

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
  • Line
エシュボルン・フランクフルト

毎年メーデーに開催されるエシュボルン・フランクフルト

沸きに沸いた春のクラシックが終わり、レースシーンはグランツールへと移ろうとしている。例年、その最中に開催されるワンデーレースがエシュボルン・フランクフルトである。

メーデーにあたる5月1日開催はもはや恒例。ドイツでは祝日にあたり(他国でも祝日に設定されていることが多い)、このレースが開催されるフランクフルトはプロからアマチュア、大人から子供まで参加が可能な自転車のお祭りが開かれる。

そのメインイベントであるプロレースは、今回で60回目の記念大会。これまでスプリンターが多くレースを制してきているが、今年は違った趣きになるかもしれない。主催者に言わせると、「スプリンターとクラシックスペシャリストによる戦い」。それは、コースの大幅な変更が関係している。

レース名の通り、エシュボルンの街を出発して、フランクフルトを目指す。両都市間の距離は15km足らずだが、北に位置する丘陵地帯をめぐることでスペクタクル性を高める。昨年まで採用されていた上りのうち、ビルタルホーヘとルッペルシャイナーが今年はカット。その代わり、このレースを代表する登坂区間であるフェルトベルク(1回目:登坂距離11km、平均勾配4.8%・2回目:7.6km、6.5%)を2回、マンモルスハイン(2.3km、8.2%)を3回上ることになった。

特に、2回目のマンモルスハインから同じく2回目のフェルトベルクまではほぼ上りっぱなしで、レース中盤とは言えど選手たちの脚が削られるポイントになることは必至。3回目のマンモルスハインを終えると、フィニッシュまでは36km。その後は下りとフランクフルト市街地の平坦な周回コースを走ることから、集団のペースが上がっていくものと思われる。勝つためには、丘陵地帯を出る段階でメイン集団に残っていることが条件になる。それも、消耗度合いを最小限にとどめて。

リメイクされたジャーマントロフィーへは、10のUCIワールドチームと9つの同プロチーム、合計19チームがエントリー。

エシュボルン・フランクフルト

60回目の記念大会をむかえるエシュボルン・フランクフルト

なかでも、ホストチームであるボーラ・ハンスグローエの本気度がすさまじい。前回優勝のサム・ベネットは今年ももちろんエーススプリンターとしてメンバー入り。展開次第ではマキシミリアン・シャフマン、ニルス・ポリッツの両ドイツ人ライダーも優勝争いへ出馬する。

スプリント勝負になれば、本命は前々回の覇者であるヤスペル・フィリプセンアルペシン・ドゥクーニンク)。パリ〜ルーベでの満点アシストが記憶に新しいが、今季はすでに4勝を挙げているようにフィニッシュ前のスピードと勝負強さは群を抜く。ボーラ・ハンスグローエとアルペシン・ドゥクーニンクのトレインが、最終盤でどんな主導権争いを見せるかも楽しみ。

大ブレイク間近のアルノー・ドゥリー(ロット・デスティニー)は、ここで大物食いに成功できれば一気に飛躍しそう。4年前にこのレースを勝っているパスカル・アッカーマンUAEチームエミレーツ)は、平地系アシストを固めての参戦。少人数の争いになれば、マルク・ヒルシが代役を務めることになる。

パリ〜ルーベでのクラッシュで涙したジョン・デゲンコルプチームDSM)は、勝てば実に12年ぶりの戴冠。2014年からの4連覇を含め、7大会連続で表彰台に上がっている(2015年と2020年は大会休止)アレクサンダー・クリストフ(ウノエックス・プロサイクリング チーム)は、この大会における“マイスター”。スピードマンをそろえたチーム ジェイコ・アルウラーは、上りも強いマイケル・マシューズで勝負か。マキシミリアン・ヴァルシャイド(コフィディス)も、北のクラシック以降調子を上げてきている。

今季好調のアンテルマルシェ・サーカス・ワンティからはゲオルク・ツィマーマン、EFエデュケーション・イージーポストはヨナス・ルッチと、逃げを得意とするジャーマンライダーが出走を予定している。

そして、バーレーン・ヴィクトリアス新城幸也を招集。2年連続3回目の出場となる今回は、自国での勝利にかけるフィル・バウハウスを支えることが主な役割になりそう。トレインを牽引し集団前方へと上がる職人ぶりにも期待をしよう。

1日を通して自転車一色に染まるフランクフルト。アンダー23・ジュニア・ユースの年代別レースも行われるほか、選手たちが走るコースを体験できるミニツアーも催される。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ