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新城幸也選手インタビュー!ジャンパンカップとさいたまクリテリウムに向けて意気込み語る「レースを見て熱い気持ちになってほしい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか新城幸也選手
オーストラリアで行われた世界選手権 ロードレース 男子エリートを終えたばかりの新城幸也選手に独占インタビュー(取材日:2022年9月28日)。世界選の振り返りはもちろん、日の丸を背負って走ることへの想いや、いよいよ開幕するジャパンカップとさいたまクリテリウムへの想いを聞いた。
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Cycle*2022 イル・ロンバルディア|サイクルロードレース|J SPORTS【公式】
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ーーオーストラリアでの世界選手権、ご自身の走りには満足されていますか?
39位という結果が、僕の今の実力じゃないでしょうか。去年は49位で、東京オリンピックは35位。ここから上に行くには、もう一つ何かが必要だな、という感じです。
直前にレースがなかった分、トレーニングでカバーしようと思ったんです。でも、12回あの坂を上るための強度作りが、トレーニングだけでは足りなかった。今はそう思ってます。結果論なんですけど、僕がずっと留まっていた集団が、最後に追いついて2位集団になった。だから、もしもあそこに喰らいつけていれば、トップ20、トップ10の可能性もあった。そういう部分で、いまさらながら悔しい。
残り2周でレムコ・エヴェネプールがアタックしたというのは、現地の放送だったり、みんなの動きで分かっていました。で、前がバラバラというのも、浅田顕監督が教えてくれていた。「あ、前バラバラか」とは思ったんですけど、前に16人が行っていたし、だから集団の先頭に残るために最後の2周を走っていたんです。けど、まさかね。ゴールしたら、全部追いついて2位集団になったというのを聞かされて、なおさら悔しかったですよね。
でもね、あそこの最後の上りでいっぱいいっぱいになってちぎられたんで、それが実力かなと思ってます。
ーー今回の世界選手権男子エリート全出場選手の中で、新城選手が最多出場でした。日本のナショナルジャージを着て、毎年こうして世界選手権を走るというのは、どんな意識ですか?
だって日本代表です!サッカーや野球だって、ナショナルチームに選ばれることは、大変名誉なことです。それに世界選であれば、カメラに映れば、「日本」って絶対言われるわけじゃないですか。だから僕は変な走りはしたくない。変な走りをしたくないというのは、自分の実力をちゃんと発揮したいという意味です。
日本のナショナルジャージを着て世界選手権を走る新城選手
それに日本代表だからこそ、世界選手権を走ることができます。日本人じゃなかったら走れないですよね。逆に言えば。日本代表だからこそ走れるのが、世界選手権です。
今大会はジュニア女子で、垣田(真穂)が日本歴代2位の5位に入りました。U23の留目(夕陽)も、ロードレースはパンクで終わりましたけど、タイムトライルは優勝者からほんの2分ちょっと。ナショナルチームとして世界選手権を走れたということは、若い選手たちにとって刺激になったと思うし、僕自身もそれを見て刺激になった。
僕自身、キャリア終盤に来ていますけど、やはり今年もナショナルジャージを着て世界選手権を走るのは、本当に気合いが入ります。うん。僕にとっては、1年の中ですごく大事なレースです。
ーー世界選期間中に38歳の誕生日を迎えられましたけど、新城さんを倒して世界選の枠を奪う選手が、いまだ現れません。
一応負けないように走っています(笑)。はい。
いや、だって、そうじゃないですか。日本代表ジャージですよ。着られるなら、僕だって、ずっと着ていたいですもん。そりゃあ、譲る気はないですよ。だって、サッカーだって野球だってそうじゃないですか。みんな絶対に着たいじゃないですか。それと一緒です。いつかは譲ることになるかもしれないけど……日本代表で走りたいです。それが日本代表の価値だと思います。
ーー今シーズンは3回目の全日本選手権優勝を果たされましたし、パリ〜ルーベに初出場もしました。いろいろあった中で、1番印象に残っていることはなんですか?
一番はコロナにかからず、1レースもキャンセルしなかったことじゃないでしょうか。逆にチーム内に陽性者が出たせいで、急に呼ばれたレースもありました。マテイ・モホリッチが勝ったミラノ〜サンレモも急遽出ました。ベルギーのクラシックは1レースだけ出場の予定が、最終的にはフランドル以外は全部走りました。そういう呼ばれたレースで、しっかりと結果につながる走りができたことで、僕にとっては、チームの信頼を改めて勝ち得た1年だったかなと。
でも今年を振り返ってと言われたら、やっぱり全日本ですね。無理やり帰国して、結果、勝つことができた。やはり嬉しいです。だって毎回、ジャージを着る時に、目に入るじゃないですか。「ジャパン」って、「日本」って書いてあるんです。だからナショナルチャンピオンジャージを着て走ると、プラスの気合が入ります。自然と。「頑張るか」という気持ちになります。
ーーこの秋、ジャパンカップとさいたまクリテリウムが、3年ぶりに日本で開催されます。ファンにとっては「ついに帰ってきた!」という思いですが、選手としてはいかがですか?
一緒ですよ。僕たちも待ちに待っていました。これまで移動規制の多い世の中でしたから、またいつものように行われるというのは僕自身も嬉しい。外国の選手たちもみんな「今年はジャパンカップあるの?」「さいたまあるの?」ってシーズン初めから言っています。行動制限が2〜3年間続いたので、「今年こそは行きたい」と楽しみにしている選手がすごく多いですね。
日本の皆さんも本当に楽しみにしてくれている。日本も今、ちょっとずつ、イベントが解禁になっているじゃないですか。だから僕も一緒に楽しみたいなという気持ちがありますね。
ーージャパンカップは過去10回出場されて3位が1回という成績ですが、新城選手にとっては、得意なレースでしょうか?
正直あんまり得意ではないです。上りがちょっときつすぎます。ただ、シーズン後半ですし、日本のレースってことで、気合は入ります。
メンタルの部分はやっぱり大きいんですよね。日本の皆さんが応援してくれるので、自然と気合いが入るし、自然と集中できる。皆さんに見られているからこそ、僕にとっては世界選手権と同じぐらい、ジャパンカップでは変な走りはできない。気合の入るレースの一つです。
でも今年は大変ですよ。UCIポイントを稼ぎたいチームが来るので、大変なレースになると思います。(コフィディスやイスラエルやロットは)しかも今、信じられないぐらい、レースを走っていますもんね。シーズン後半にあれだけレースを回っていれば、調子を維持するのは簡単です。しかもジャパンカップはイル・ロンバディアの1週間後ですから、イル・ロンバディアのメンバーがジャパンカップに来たら、大変なことになります。
ーー今年もさいたまクリテリウムへの出場が発表されました。マイヨ・ジョーヌのヨナス・ヴィンゲゴーや、マーク・カヴェンディッシュと並んで、この大会メンバーに選ばれる意味とは?
言い方が合っているかどうか分からないですけど……僕にとって、本当に、ご褒美的なもの。皆さんの前で走る機会をもらえるチャンスです。
シーズンの初めから「俺は行きたいんだ」という選手が多いんですよ。「いやいや、僕は主催者じゃないから。僕が選ぶわけじゃないから」みたいな(笑)。でも、そうやって、ファンの皆さんも楽しみにしていると同時に、選手のみんなが楽しみにしてくれるのがさいたまクリテリウムですね。
しかもヨーロッパに来ないと見られない選手が、さいたまに集結する。そういう意味では、この機会を逃してほしくないです。これほどの選手を目の前で見られるチャンスというのは、ツール・ド・フランスかさいたまだけ。でもさいたまに行くお金で、ヨーロッパには行けないですから!それを考えたら、さいたまクリテリウムを見る価値って、すごくあると思います。
ーー2019年大会では優勝もされてますが、さいたまクリテリウムにはどんな思い出がありあますか?
楽しい思い出しかないです。僕はヨーロッパでずっと活動していて、日本語がなかなか聞けないレースを走っています。でも、さいたまを走っていると、聞こえてくるのは……ほぼほぼ日本語じゃないですか。100パーセントとは言えないですけど、皆さんの応援が理解できる。だから僕としては力になります。
皆さんが楽しんでいる顔も見える。さいたまクリテリウムで皆さんが楽しんでいる姿を見ると、走っている僕らも幸せになります。
さいたまクリテリウムのイベントに参加した新城選手(2019)
それに毎年いろいろなサプライズが用意されてますよね。うなぎを焼いてみたり。ああいうの大歓迎です。日本人の僕でさえ初体験のことがあるので、楽しみにしています。
外国の選手にとっても、日本に来て、観光したり体験したりというのは一つの楽しみなんですよ。僕ら選手はたいてい、空港に行って、ホテルに行って、レースを走って、帰るだけ。いろいろな国に行っていますけど、ほぼ観光はないですからね。だから行った国の文化を味わえるのが、さいたまクリテリウムの一つの楽しみです。
ーーディフェンディングチャンピオンとして、さいたまクリテリウムではどんな走りを見せていただけますか?
あのコースはキツイですからね。皆さんが想像している以上に、簡単なコースではないんです。さいたまスーパーアリーナの中を通るじゃないですか。あの立ち上がり。あれね、結構大変なんですよ。あとさいたま新都心駅のアンダーパスも、意外とああ見えて勾配がある。走るのも大変です。だからしっかり練習していきます!
ーージャパンカップとさいたまクリテリウムは、世界のトップ選手の走りを間近で見て、本場のレースを生で感じられる絶好の機会です。日本のファンにはどう楽しんでもらいたいですか?
自転車で走ったことがある人なら感じていただけると思うんですが、僕らがレースで走るスピードは、多分みなさんが出す倍ぐらいの速さなんですよ。それこそが臨場感ですし、ライブ感です。3年ぶりの日本開催レースでは、ぜひそれを楽しんでもらいたいと思いますね。
日本も渡航規制が徐々に緩和され、コロナ前の生活に戻りつつあります。だからこそ、皆さんが今まで我慢していた分、レースで楽しんでもらえたらなと。
僕らはこれまで通りのレースをするしかないです。ただ現場に来たファンの皆さんに、もちろんテレビの前の皆さんにも、「ああ、やっぱりレースっていいな」って終わった時に思ってもらえる、そんなレースにしたいですね。
ーーJ SPORTSの視聴者や自転車ファンに、メッセージをお願いします。
選手の表情というのは、(レースを実際に走っている)僕よりも、多分、テレビの前の人の方が見やすいです。誰の調子が良いとか悪いとか……。今いろいろなレースがテレビ中継で見られることは、そういう意味で、僕自身にとってもいい勉強になるんです。「コイツはこんなに調子がいいんだ」という感じで、情報収集の一つとして見ることもあります。
つまりジャパンカップやさいたまクリテリウムに向けて、誰が今どういう調子なのかというのを、イル・ロンバルディアやその前のレースで見て取れると思いますよ。しかも年間を通して選手の走りを見てきているわけですから、今まで以上に日本のレースを楽しめるんじゃないでしょうか。
そのテレビで見ていた選手が日本で走ります。だから、もしも現場に来れるチャンスがあるならば、現場に来て見てもらいたいです。もしも、そういうチャンスがなくても、普段ヨーロッパで走っている選手が日本で走っている!というシーンをテレビで見てもらって、熱い気持ちになってもらえたらと思ってます。
文:宮本あさか
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独占!新城幸也選手スペシャルインタビュー(取材日:2022年9月28日)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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