人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2022年10月5日

【Cycle*2022 グラン・ピエモンテ:プレビュー】マーク・カヴェンディッシュも参戦!ピエモンテの名所を巡る旅の終わりにスプリンターが栄光を掴む

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line
Cycle*2022 グラン・ピエモンテ

Cycle*2022 グラン・ピエモンテ

9月半ばから始まったイタリアンワンデー連戦の日々も、いよいよクライマックスが近づいてきた。1987年以来「Trittico di Autunno(秋の3連戦)」として愛されてきた流れは、残念ながらミラノ〜トリノが春開催に戻ったせいで、この秋から「2連戦」になってしまったけれど……。ワールドツアー最終戦イル・ロンバルディアの2日前に、今年もグラン・ピエモンテが、色づく秋の風景の中を駆け抜ける。

かつてはジロ・デル・ピエモンテ(ピエモンテ州一周レース)と呼ばれ、4年前からは「偉大なる」とか「素敵な」との意を持つ「グラン」を冠する名をまとうレースは、ピエモンテの名所を巡る旅でもある。たとえば2018年大会は、ユネスコ世界遺産ストゥピニージ宮殿へ向けて、バラバラの小集団スプリントを争った。翌年はやはり世界遺産の聖山オローパで山頂フィニッシュ。2020年は高級ワインの産地バローロの丘陵地帯で凄まじいアップダウンをこなしたし、昨大会は北イタリアに点在する聖山のひとつ、モントリゴーネの丘の麓の町ボルゴセージアで大集団バトルが繰り広げた。

J SPORTS オンデマンド番組情報

レース詳細ページ

つまり毎年コースは大胆に変わり、当然ながら毎年、勝者にふさわしい脚質も変わる。そして、今年で第106回大会を迎える歴史ある一戦は、2年連続でどうやらスプリンターに栄光を与えることに決めた。

198kmの戦いは、イタリアで最も「ロマンチックな湖」と呼ばれるオルタ湖の北端、オメーニャから走り出す。湖に浮かぶ「オルタの宝石」、サン・ジューリオ島を眺めながら、プロトンは南へと進路を取る。

スタート直後には軽いアップダウンが続くものの、40km地点を過ぎた頃、道は完全にフラットになる。しかもポー平原を貫くコースは、長い直線路の組み合わせ。4年前のように強風や冷たい雨が吹き付けない限り……選手たちは、心静かに隊列を走らせるはずだ。

平地を90km近くも突き進み、ピエモンテ州都トリノの郊外にたどり着くと、この日唯一の難関にぶち当たる。138.9km地点に待ち構える、登坂距離6.4km、平均勾配は5.3%前後の坂道は……「秋」のミラノ〜トリノでお馴染みだったスペルガの丘へと続く!

ただし今回「イル・ピロネット」と名付けられた上りは、昨秋にプリモシュ・ログリッチが単独で栄光をつかみ取った時とは、反対側から攻めるのだ。また丘のてっぺんの美しきスペルガ寺院の前で、レースが大団円を迎えるわけでもない。フィニッシュまでは、いまだ59.1kmも残されている。しかもこの上りを乗り越えさえすれば、あとは一切の地形的難関は存在しない。短い高台と下りを経て、ラスト40km、再び道はほぼ完全にフラットになる。すなわち俊足スプリンターたちは、このたった1つの難関を、どうにかしのぎ切ればいい。

ピエモンテ州のあらゆる魅力を、あらゆる角度から見せるグラン・ピエモンテは、2022年大会はフィニッシュ3km手前で再びストゥピニージ宮殿を堪能する。さらには枯れ葉が舞い散る並木道を経由して、ラストはベイナスコの市街地へ。残り500mで最後の直角コーナーを曲がれば、後は勝利まで一直線だ。

シーズン末の平地勝負には、ワールドチーム16チーム(言い換えればAG2Rとグルパマを除く全部)を含む、全23チームが詰めかける。そんなスタートラインに並ぶ数々の俊足の中でも、ダントツの優勝大本命に名を挙げられるのがオラフ・コーイ。ユンボ・ヴィスマ所属の20歳は、今季だけでなんと12勝と、大急ぎで世界トップスプリンターへの仲間入りを果たしつつある。しかも今大会3日前には、ドイツ開催シュパルカセン・ミュンスターラント・ギーロで初のワンデー勝利を飾った。北イタリアでも、若い才能のきらめきを見せてくれるはずだ。

37歳大ベテランのマーク・カヴェンディッシュもやって来る。この春に「平地向け」に生まれ変わったミラノ〜トリノを勝ち取り、長い勝利リストにまた1つ新たなレース名を書き加えたカヴが、11年ぶりのグラン・ピエモンテで……自らのタイトルコレクションをまたしても増やせるか。もちろんすでに今大会で勝ちを射止めた経験を持つジャッコモ・ニッツォーロやヤン・バーケランツも、2度目の栄光を、虎視眈々と狙っている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ