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【Cycle*2022 UCI世界選手権大会 女子エリート 個人タイムトライアル:プレビュー】新たな時代へと走り出す世界選の開幕レース!女王エレン・ファンダイクの牙城を崩す選手は現れるか
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかエレン・ファンダイク(オランダ)
虹色に輝くジャージを巡る、年に一度の大熱戦。男女・年代別の強豪たちが、地上の四隅から一都市に集結し、母国の名誉にかけて世界一のタイトルを奪い合う。そんなUCIロードレース世界選手権が、2022年9月、新たな時代へと走り出す!
大会創設100周年をベルギーで祝った1年後、史上2度目のオーストラリア大会の開幕レースには、だからこそ女子エリート&女子アンダー23個人タイムトライアルが選ばれた。
そう、今年は、単なる「女子エリート」のためだけのレースではない。昨季までのように「19歳以上の女子全員」が、たったひとつのタイトルを争うのではないのだ。1958年に女子ロードレースが、1995年に女子タイムトライアルが世界選手権に組み込まれて以来、初めて、「女子アンダー23」の世界チャンピオンも誕生する。
ただし初めての試みである今年から3年間は、あくまで「移行期間」。女子のアンダー23(2000年〜2003年生まれ)とエリート(1999年以前の生まれ)は、去年までと同じように、ひとつのコースで、ひとつのレースを戦う。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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Cycle*2022 UCI世界選手権大会 女子エリート 個人タイムトライアル
配信期間 : 2022年9月18日午前8:25 ~ 2022年9月18日午後0:54
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Cycle*2022 UCI世界選手権大会 男子エリート 個人タイムトライアル
配信期間 : 2022年9月18日午後0:30 ~ 2022年9月18日午後6:00
必ずしも異なる2人のチャンピオンが誕生するわけでもない。個人タイムトライアルでは、全体で1位のタイムを叩き出した選手に「女子エリート世界チャンピオン」の称号が、アンダー23の中で1位のタイムを叩き出した選手に「女子アンダー23世界チャンピオン」の称号が与えられる。……つまりはアンダー23カテゴリーで1位の選手が、もしも全体でも1位となった場合、その選手は女子エリート&女子アンダー23の両タイトルを一挙に勝ち取ることになる。
気になるコースは、男子エリートと同じく、オーストラリアの東海岸ウーロンゴンに描かれた約17kmの市街地サーキットを2周回。すると女子アンダー23選手にとっては、男子アンダー23の28.8kmよりも長距離の、全長34.2kmの戦いとなる。使用されるサーキットは、約1週間後のロードレースで使用されるものとほぼ同じ。違いは2つある上りのうち、最も難しいほうがカットされたこと、代わりにほんの短いながら直線部分が生まれたこと。ただし今コースの最大の特徴にして最高の難点は、1周回で約29ものコーナーが登場すること。極めてテクニカルな設計である上に、海沿いだからこそ、風の影響も決して少なくはないはずだ。
ディフェンディングチャンピオンのエレン・ファンダイク(オランダ)は、果たしてこの難解な周回をどう攻略するか。過去2回(2013年、2021年)、個人TTで世界チャンピオンの証「マイヨ・アルカンシェル」を手に入れた時、いずれも地形はほぼ平地で、かつ直線の多いコースだった。もちろん5月にアワーレコードを樹立した35歳の大ベテランは、過去5年で個人TT24戦11勝10表彰台とずば抜けた独走力を誇る。
最大のライバルは、やはり同国のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)だろう。東京五輪同種目の金メダリストは、世界選TTも2017年・2018年で2連覇済み。2022年はジロ・ツール・ブエルタの女子3大ツール全制覇という空前絶後の快挙を成し遂げたばかりの脚で、オーストラリアへ乗り込む。
2年連続世界2位に泣き……東京五輪でも銀メダルに終わったマーレン・ローセル(スイス)にとっては、リベンジの時。欧州選手権では2年連続でファンダイクを2位に退けて優勝を飾った。女子ツールでは23kmもの独走勝利を決めた。世界1位の座に上り詰める準備はできている。
すでに15年前から女子アンダー23部門が存在する欧州選手権で、2022年大会を制したのが20歳のシリン・ファンアンローイ(オランダ)だった。3年前のジュニア世界選個人TTでは銀メダルを持ち帰っているけれど、今年は史上初めての女子U23個人タイムトライアル世界チャンピオンになりたい。欧州U23TTで昨季優勝・今季2位の21歳ヴィットリア・グアジーニ(イタリア)も、間違いなくタイトルを虎視眈々と狙っている。
また日本からは、2014年大会で14位と好成績を残した経験を持つ與那嶺恵理がエントリー可能。もしも出走した場合、世界選手権での個人タイムトライアルは、2年ぶり9回目の挑戦となる。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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