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サイクル ロードレース コラム 2022年3月6日

【Cycle*2022 ティレーノ〜アドリアティコ:プレビュー】ポガチャルvsエヴェネプール実現!「二つの海を結ぶレース」で激烈なぶつかり合いが巻き起こる

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ポガチャル

前回大会総合優勝のポガチャル

海の青を愛でながら、山の熱戦に興じる。グランツールライダーたちにとっては、春一番の脚試しで、クラシックハンターにとっては、すぐそこに迫る本番へ向けた最後の威嚇合戦。やけに生々しく、激烈なぶつかり合いが、きっと今年もティレーノ〜アドリアティコで巻き起こる。

ティレニア海からアドリア海へと向かう7日間。この基本形こそ変わらないものの、2022年はいつもの水曜日開幕〜火曜日閉幕ではない。お隣の国のパリ〜ニース開幕翌日の月曜日にスタートし……なんと同時に閉幕するのだ!

つまり見る側にとっては、忙しくも楽しい1週間。「太陽へ向かうレース」が徐々にクレッシェンドしていき、手に汗握る週末2日間を迎えるのだとしたら、「二つの海を結ぶレース」は、真ん中に大きな山場が挟み込まれる。

今年の初日は、ティレニア海岸通りを突っ走るど平坦で一直線のタイムトライアル。全長13.9km、15分弱の全力疾走が、大会最初の青ジャージの持ち主を選び出す。

2日目と3日目は、「上れる」スプリンターとクラシックハンターのせめぎ合い。特に第2ステージは、まるでミラノ〜サンレモの最終リハーサル。すべての選手にとって今シーズン初めての210km超レースで(219km)、しかも後半にアップダウンが集中して訪れる。一方で3日目はスタート直後からいきなり起伏に突入し、逃げ合戦も熱くなりそう。

木曜日と金曜日はとにかくパンチ力勝負。4日目はステージ前半をかけてアペニン山脈を西から東へと横断し、その後フィニッシュへの急坂を3度よじ登る。

5日目は恒例のお楽しみ、「壁」ステージ!コース終盤で早くもアドリア海に出会いつつ、100km過ぎにはモンテ・ウラノの最大15%の壁、120km過ぎにカポダルコの最大18%の壁が立ちはだかる。ラスト21.8kmで変形周回コースに突入すると、とにかくせわしなく、とびっきり難しい。21%→下り→18%→下り→20%→下り→21%……。フィニッシュ直前まで8%超えが続く。

「二つの海を結ぶレース」

「二つの海を結ぶレース」

パリ〜ニースのクイーンステージが、短距離&山頂フィニッシュなのだとしたら、ティレーノ〜アドリアティコは、クイーンステージに長距離&ダウンヒルフィニッシュを選んだ。第6ステージのコースは全長215kmに達し、累計獲得勾配は3700mにも達する。しかもモンテ・カルペーニャ(全長6km、平均勾配9.9%、最大15%)の山道に、プロトンは2度上り、2度駆け下りねばならない。

そして猛スピードで坂を駆け下りた先で、青い総合ジャージを身にまとっていた選手が、最終日に海神の三叉槍を手に入れる。日曜日の第7ステージは、ようやくピュアスプリンターに活躍の場が与えられる。アドリア海岸に設けられた14.6kmのサーキットコース×5周回は、完璧に平坦だ。

コースもひどく刺激的なら、出場メンバーも刺激的。なにしろ昨ツール・ド・フランスの表彰台3人がやってくるし(ポガチャル、ヴィンゲゴー、カラパス)、ロードとタイムトライアルの世界王者もスタートラインに並ぶ(アラフィリップ、ガンナ)。

カヴェンディッシュを筆頭にユアン、デマール、クリストフ、サガン、アッカーマン、マシューズ、ヴィヴィアーニ、メルリール、ブアニ……とサンレモ狙いの俊足たちも大量に乗り込んでくるし、ピノ、E・マス、ウラン、ロペス、カルーゾ、ゲイガンハート、ポート、ケルデルマン、バルデとグランツール表彰台経験者も盛りだくさん。

なにより注目されるのは、ポガチャルvsエヴェネプールの行方だろう。両者はいずれも2019年にプロデビューしながら、これまで1度も同じステージレースを走ったことがない。すでにツール総合2勝とモニュメント2つを手にし、今季も8日間出走で4勝(区間2、総合1、ワンデー1)と全方面でぶっちぎりの強さを誇るポガチャルと、過去3年間で短期間ステージレース9戦7勝(2位1度とDNF1度)とほぼ無敵で突っ走ってきた2歳年下のエヴェネプールの、7日間の真っ向勝負だ。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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