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レベッリンは、「大きな大会には、これが付きものだから」と悟りの境地。ヴォクレールは「貴重な休養時間が丸つぶれ」とうんざり。コフィディスのベテランマッサーは、「これも仕事のひとつさ」と締めくくる。
航空母艦でのチームプレゼンテーションやら、二つの島をまたいでのチームタイムトライアルやら、華やかな趣向を凝らした2007年ジロ・デ・イタリアだが、なにしろ「海」という障害物がある。移動にはどうしても時間がかかる。
例えば第1ステージ前日。15時から始まるチームプレゼンテーションのために、選手たちは13時に港に集合した。13時15分のフェリーに乗って、海軍基地のあるサン・ステファノ島まで約15分。その後は15時まで……炎天下の船着場で待たされた。もちろんチームカーどころか、ベンチさえない。また16時に終わったプレゼンテーションの後も同じ。1度に選手を乗せ切れず、3往復するフェリーを、選手たちは地べたに座って延々と待つ。
さらに第1ステージの島へと渡る船は、普通の定期便だった。一般の車両に混ざり、キャラバンカーやチームカーはフェリーを待つ列に並ぶ。我々が並んでいたときは、幸いにも(?)ラジオ局のキャラバンカーが大音量で音楽を掛け始め、キャンペンガールたちは車の間で楽しそうに踊り出し、さながらパーティーのような雰囲気に。ただし数時間後にレースを控える選手たちは、もちろん踊ったりなんかせず、おとなしくじっと待つのであった。
チームタイムトライアルで優勝を決めたリクイガスが、帰りもフェリーの列にしっかり並んで、ホテルに帰りついたのは夜8時過ぎ。マッサーの中野さんによると、何はともあれすぐにマッサージを始めたそうだけれど、全ての仕事が終わったのは12時過ぎだったんだとか。
次に選手たちが待たされるのは、サルデーニャからナポリへの移動。ただし今度は飛行機移動だから、椅子もあり、空調も効いている空港での待ち時間。さすがに船着場よりは、気持ちよく過ごせることだろう。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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