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ステージが終わると、さっそく表彰台のすぐ隣でライのハイライト番組が始まる。表彰式の最中もお構いなし。表彰式を終えたマリア・ローザも、すぐさま舞台の上に駆けつける。さらにはその日活躍したイタリア選手たちが、駐車場からの生インタビューに答えたりしている。
第2ステージで3位に沈んだペタッキが、チームカーから失意のコメントを発したときなどは(ため息交じりで、まるでこの世の終わりのような顔をしていた)、プレスルームのパソコンを打つ音がいっせいに止まった。イタリアのジャーナリストたちは、慌ててメモを取ったり、ICレコーダーに録音したり。携帯電話がどこかで鳴ると、「シーッ」という声があちこちから上がったほどだ。
第2ステージの後は、待望のマリア・ローザを獲得したディルーカが、ご機嫌な様子で番組に登場。そして番組が終わってから、ようやく公式記者会見のためにプレスルームに姿を現した。
ところで、第1ステージのガスパロットとの例の問題だが……、果たしてディルーカの怒りはいかほど?
リクイガスのマッサー、中野さんに話を聞いてみると、「ディルーカは、いつでもどこでもはっきりモノを言うタイプ。でも一度言ってしまえば、そこできっぱり気持ちを切り替えられる人なんです。だから、一言だけ注意した後は、もう全く気にしていない様子でしたよ。むしろディルーカにマリア・ローザを着てほしいと願っていたスポンサーさんたちのほうが、残念がっていたようです」とのこと。
第2ステージの記者会見では、ジャーナリストたちから「今日はガスパロットに、『おい、お前どこ行くんだよ!俺のマイヨを奪うな!』と怒られなかったの?」などとギャグのような質問が飛ぶと、ディルーカは顔を真っ赤にしながらヒーヒー大笑い。「本当に!今日は彼のマイヨを守るために僕は走ったのに、彼のマイヨを奪っちゃったね〜」と、実に楽しそうだったのだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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